ホモシステインが血液中において過剰になった場合、脂質を酸化させたり、多くの活性酸素を発生させたり、一酸化窒素の産生を抑制したりします。
そのため、血小板凝集や血栓形成も促進されます。
結果として、動脈硬化や高血圧、心疾患、脳血管障害など各種疾患のリスクを上げることが報告されています。
ほかにも細胞レベルでは、DNA損傷、カルシウム流入の過剰、小胞体ストレスを増加させることも報告されています。
血液中のホモシステインが過剰になる主な原因は、ホモシステインからメチオニンに戻す経路に関わっている酵素の補酵素として働いている葉酸、ビタミン12、ビタミンB6の不足が考えられます。
上図にホモシステインからメチオニンに戻す経路がありますが、その際に葉酸やビタミン12、ビタミン6が利用されるのが分かります。
ここが不足することによって、代謝がうまく行われなくなることでホモシステインが過剰になってしまうということです。
また、その酵素にはマグネシウムを必要としている酵素があるため、マグネシウム不足もホモシステインの過剰をもたらす1つの原因になります。
血漿ホモシステイン濃度は、一般的には加齢とともに上昇する傾向があります。
ホモシステインからメチオニンに戻す代謝経路を見てもわかるように、人間のカラダの中では絶え間なく代謝が行われ続けています。
その代謝を正常に機能させることが大切であり、そのためにどのような栄養素が必要であるのかを学ぶ、考えることは大切になってきます。