各アミノ酸はどれも重要であって、基本的には疎かにできないものばかりであるが、別の系列とも言えるものがあり、そのアミノ酸とは必須アミノ酸のメチオニン、メチオニンを元にして合成されるシステインになります。
これらは含硫アミノ酸とも呼ばれます。
※含硫アミノ酸とは、硫黄を含んだアミノ酸の総称
また、システインからはタウリンが合成され、システインとグルタミン酸からグルタチオンが合成されます。
ヒトにおけるそれらの合成経路は下図になります。
この合成経路の見方としては、体外から摂取する必須アミノ酸である「メチオニン」が出発点です。
メチオニンは、ATPのエネルギーが使われながら、アデノシンと結合してS-アデノシルメチオニン(SAM)になります。
アデノシン↓
メチオニン↓
メチオニンとアデノシンが結合した「SAM」↓
SAMは「活性メチオニン」と呼ばれることもあります。
次にメチル基(-CH₃)を離すことによって、S-アデノシルホモシステイン(SAH)になります。
そこからアデノシンが離れることによって「ホモシステイン」になります。
このホモシステインは2通りの経路をたどり、1つは再びメチル基を付加されてメチオニンに戻る経路であり、もう1つはシスタチオンを経て「システイン」となる経路です。
このシステインから「グルタチオン」や「タウリン」が合成されます。
以上がメチオニンの代謝経路になります。