BCAAは、運動による中枢性疲労を軽減することが確認されていますが、あくまで運動に伴って生じる中枢性疲労に限られるとされています。

 

運動を伴わない精神的な疲労については、それを軽減する効果のないことが確認されています。

上図は、運動による中枢性疲労を軽減するメカニズムになっています。

 

中枢性疲労は脳内にセロトニンが増加することによって生じるとされています。

 

そのセロトニンの前駆物質がアミノ酸のトリプトファンであり、脳内にトリプトファンが多量に取り込まれると、セロトニンも多く産生され、疲労感を覚えることに繋がります。

 

運動すると血液中のBCAA濃度が低下し、BCAAと同じ輸送体(中性アミノ酸輸送体)によって運ばれるトリプトファンが余分に運ばれてしまいます。

 

そのため、疲労感を覚えることになります。

 

しかし、運動時にBCAAを補給し、その血中濃度の低下を防ぐことができれば、トリプトファンの脳内への過剰輸送が避けられるため、中枢性疲労が起こらないことに繋がります。

 

このメカニズムはまだ仮説の域ですが、最も可能性が高いとされています。

 

実際に、運動前にBCAAを摂取しておくと、運動中の疲労が軽減するばかりか、主観的運動強度が軽減することも報告されています。

 

そのため、脳などの中枢神経系への効果も期待できます。