下図はタンパク質またはアミノ酸の体内動態を大まかに示したものであり、個々に示されている数字はあくまでも平均的な飽食モデルであって、すべて1日における量を示しています。

簡単に説明すると、食事として1日に口からおよそ60gのタンパク質(またはアミノ酸やポリペプチド)が入ってきます。

 

また、胃や腸の消化管壁を構成している上皮細胞が寿命を迎えて剥がれ落ちたものや、消化のために分泌された消化酵素も入り込み、それらはタンパク質重量に換算するとおよそ70gになり、結局、1日に130gのタンパク質が消化管に入ることになります。

 

口から入った60gのタンパク質は消化され、そのうち1割に相当する6gが糞便として排泄され、消化管壁などに由来する70gのタンパク質のうち4.5gも糞便として排泄されて、合わせて10.5gとなります。

 

排泄されずに吸収された119.5gは、吸収時にはアミノ酸が数個程度つながったペプチドも何割か存在するが、最終的にはアミノ酸にまで分解され、「アミノ酸プール」と呼ばれる領域に貯蔵されます。

 

「アミノ酸プール」とは、自由に使える遊離アミノ酸の貯蔵分を意味し、それが存在する場所は全身の細胞の細胞内が約9割、細胞外が約1割であり、そのごく一部が血漿中に存在し、血漿中アミノ酸として検出されます。

 

細胞は、細胞内のアミノ酸プールのアミノ酸を材料にしてタンパク質を生合成したり、遊離アミノ酸として血漿中に放出することによって、様々な生理作用をもたらしています。

 

一方で、不要となったタンパク質をアミノ酸にまで分解し、それをリサイクルしながら使用しています。

 

その流通量は、アミノ酸からタンパク質に生合成される量が全体で230g、逆にタンパク質からアミノ酸に分解される量が同じく230gになります。

 

アミノ酸プールに貯蔵されているアミノ酸の量はかなり安定しており、僅かでも減少すれば補充されます。

 

その場合、消化管からアミノ酸が補給されればそれが補給されるが、消化管からの補充が追いつかない場合は、カラダを構成しているタンパク質、おもに筋肉のタンパク質が分解され補充されます。

 

逆に、一定の貯蔵量を超過したアミノ酸は速やかに分解され、その場合にアミノ基の窒素は、尿素サイクルによりアンモニアを経て尿素に変換され、尿に混入されて排泄します。

 

その量はタンパク質に換算すると45gになります。

 

また、皮膚、毛髪、爪として1日に4.5gのタンパク質が排泄されます。

 

ここからは理解が進んでいませんが、これは一般的な飽食モデルの場合であり、炭素骨格の方は、脂肪に変換されたり、糖に変換されたり、あるいはTCAサイクルにてATP生成に使われるということです。

 

人によって大きな違いがあるということですね。