リン酸基がスイッチになる理由の1つとして、リン酸基は親水性がたいへん強く、リン酸基がくっ付いた酵素分子の部分は親水性が増し、組織液などの水系の中に置かれた酵素(タンパク質)は、その高次構造が変化するからです。

 

酵素には「活性中心」と呼ばれる、化学反応を直接的に触媒する部分が存在します。

この付近にリン酸基をつけると、水溶性が増すことによって活性中心が開き、酵素としての機能を発揮するという仕組みになります。

 

ちなみに、タンパク質の構造を変えるための有効な方法は、リン酸基を付加する方法以外には、周りのpH変化を拾う方法、糖分子を付加する方法、脂質分子を付加する方法、アセチル基を付加する方法がありますが、リン酸基がもっともポピュラーであり、「リン酸化」は生命現象において最も重要なメカニズムになっていると言えます。

 

また、重要なこととして、リン酸化の多くはATPのリン酸基を使うものであり、その反応を行う場合には必ずマグネシウム・イオン(Mg²⁺)が必要であるということです。

 

ここからは私も理解が進んでいませんが、マグネシウムは化学的に「八面体型六配位錯体」をつくることができるため、ATP分子とタンパク質分子とを会合させ、反応を行うことができる位置に配置させることができるということです。

 

要するに、反応させるためにはマグネシウムが必ず必要になるということです。

 

以前の内容で生命現象において重要なものは、タンパク質・生体膜・遺伝子であることを記しました。

 

その次に大切なものを加えるとすると「マグネシウム」と「リン」などのミネラル成分であると言えます。

 

このうち、リンは過剰気味に摂取されていますが、マグネシウムは不足していることが多く、そのことが疾患の原因になっている可能性があります。

 

今回のまとめ

 

・リン酸基がスイッチになっているのは、「親水性」が高いことが1つの要因

・酵素には「活性中心」の呼ばれる部分があり、その付近にリン酸基がつくことで機能が発揮される

・マグネシウムは生命現象を正しく行う上では大切であるが、多くの方が不足している栄養素となっています。

 

今回は以上になります。