栄養失調の一形態だとされている「クワシオルコル」

クワシオルコル:外見上は腹部の膨張や脚の浮腫があり、腹部膨張の主な原因は腹水の貯留と脂肪肝による肝臓の肥大とされています。

 

腹水が貯留したり浮腫が起きる理由

・毛細血管の透過性亢進と血漿タンパク質の減少による膠質浸透圧の低下

 

毛細血管の透過性が亢進する理由

・全身に及ぶ細胞内のグルタチオン欠乏

 

私自身も理解できていませんが、グルタチオンは3つのアミノ酸(グルタミン酸、システイン、グリシン)により成り立っているので、アミノ酸不足が根本的な原因だと考えられているということです。

 

しかし、同様の食生活を送っていても、クワシオルコルを発症しない子どもたちがいるので、その研究を行った結果、腸内細菌叢に大きな違いがあることが確認された。

 

また、パプア人はたくましいカラダつきをしているが、彼らの食事は蒸し焼きしたタロイモやヤムイモがほとんどであり、肉や魚がほとんど食べることなく、タンパク質は1日に15gほどしか取っていないということです。

日本の栄養学や医学においては、成人では「自分の体重×0.72g」とされているが、パプア人はたった15gほどしか摂っていないのに、たくましいカラダつきをしている。

 

上記した2つのことが共通していることが、「微生物(腸内細菌)」の働きになります。

 

パプア人はアンモニアの利用率が一般的な日本人と比べると2倍ほど高く、本来は老廃物であるアンモニアからアミノ酸を合成できる腸内細菌が多く存在している可能性が高いことを示しています。

 

日本人もかつてはイモや雑穀が食事の多くを占め、タンパク質の摂取量がかなり少ない時代があったにも関わらず、人力で大きな石や材木を運び、巨大な建造物をつくってきたので、パプア人との腸内環境の類似点が多かったことが考えられます。

 

これまでは正しいと考えられていたことは「正しくない」可能性はあります。

 

そういう意味では本質を突き詰めることは大切なことであると感じます。

 

今回は以上になります。