航路灯浮標交換作業 | 測量現場観察日記

航路灯浮標交換作業

夜も明けきらぬ午前6時、垂水港を出港。

今日は海上に浮かぶ灯台、航路灯浮標の交換作業です。


 私の仕事は、ディファレンシャルGPS(以下D-GPS)の誘導・・・の監督です。

設計書に、”誘導作業は測量士を配置する”となっているので、引っ張り出されたというわけです。

今回使うD-GPSは旧測地系にしか対応しておらず、一応、設置位置の座標変換計算書は作ってきましたが、表に出る機会はありませんでした。

 

 航路灯浮標とは、このような物です。

だいたい直径6m、高さ6mぐらいあるようです。



 航路灯浮標は錘を鎖で繋いで係留します。


なんと22トンあります。



 D-GPSの準備




 弊社のVRS-RTK-GPSの端末とは違い、軌跡・誘導に強いシステムです。

いいなぁ。






 そうこうしているうちに、夜が明けてきました。



 設置の前に、現在の航路灯浮標を撤去します。


 作業船は、細かい動きが苦手ですから、曳舟を使って移動します。





 航路灯浮標を吊り上げました。


 鎖には貝がびっしり。


ある深さから下は、キレイでした。

生息深度があるのですね。

言われてみれば当たり前かもしれないけれど、こうもはっきり区切りがあると、感動です。


 最後に錘を引き上げ。

鎖を引き上げるだけで、2時間かかりました。




 休む暇なく、新しい航路灯浮標の設置です。

潮止まりを狙って作業しているので、時間との一発勝負です。

休憩なんてありません。






 撤去より設置の方が早いだろう?

いえいえ、同じぐらいの手間です。

むしろ、D-GPSで指定ポイントに誘導するのですから、さらに時間がかかります。


 ようやく設置完了。
最後に、電気系統をチェックします。




 今日の作業は無事終了。

明日は西側の航路灯浮標です。



 一連の作業を見ていると、東海大学海洋学部時代を思い出しました。

海底土採取のためのピストンコアラ-も、同じ様な手順でやったな~。

つい、作業に参加したくなりましたが、越権行為に加えて邪魔になるのは明白です。

思い出に浸るに留めました。


 あ~やっぱり、海の仕事、好きだわ。