つづき。
それでも私は
こちらの母が好きだった。
ぐちぐち言ってる母より、
誰よりもおしゃれをしてる母が
誇らしくもあった。
友人からも
「ハニーちゃんのお母さんいいなぁ。」
と、言われた。
だけど、どうしてだろう？
こんな風に、働いてる人たちに惹かれた。
姿だけで、人生を物語ってるように見えた。
到底、私には真似できない「何か」を
感じた。
私の頭の中の理想の母親像は、
こんな人だ。
実の母とは、程遠いが、
現実の母の中身は、
きっと理想の母親像と同じなんだと
信じていた。
・
・
母を象徴する
こんなエピソードがある。
私が離婚して
お金に困ってる時
私は、こんなものを期待した。
だが、
母が送ってきたものは、
犬のぬいぐるみだった。
「これで癒されなさい。」
の、手紙が入っていた。
「そんなはずはない！？」と
送られてきたダンボールの中を
必死に探したのを覚えている。
私が探したのは茶封筒。
（現金）
無かった…。
その時の私は、
カップラーメンの方が、何倍も助かる状態だったから、
母に
「ありがとう。」と言う言葉が
苦しかった。
そこから本格的に
母を憎むようになった。
因みに、それから15年ほど経つが、
それ以上のものは送られてこなかったし、
父が私にお金をあげよう。と言うと
母は鬼の形相で「やることない！」と
制した。
もちろん生活費など、親からの援助は無かった。
それでも私は、母の中に愛情を探していた。
つづく。