自分の気持ちが変わらないうちに行動を起こす事にした






ネットで分骨や散骨の事を調べてみたら、散骨には2ミリ以下にまで粉骨しないといけないらしい







自分でもやろうと思えば出来るらしいけど、私には到底出来る気がしない…






今の私には葬儀の時の記憶はあまり残っていない






ただただ悲しくて、式の最中もボーッと夫の遺影を見つめていた気がする







周りからは「立派に喪主を努めていたよ」と言って貰ったけど、喪主の挨拶とか本当に私がやったっけ?と思う程記憶がない






そんな曖昧な記憶の中でも、夫が火葬の炉に入って扉が閉まる瞬間と、次に扉が開いてもう二度と生前の夫の姿を見られなくなった現実と向き合った時の記憶だけは鮮明に憶えている







そして夫の火葬が終わって、骨壷に遺灰を入れる際の夫の骨を木の棒で砕きながら入れている音は未だに忘れる事が出来ずトラウマになっている






火葬が終わって炉の扉が開き、夫の棺があった場所にはしっかりした骨が残っていた






一瞬生焼けで出てきた??骨格標本か??と思う位人の形がしっかり残っていて、参列していた親族皆んながビックリする程だった






夫は身体が大きかったから棺も市販品の中では一番大きいサイズだったけど、用意されていた骨壷も一番大きいサイズだった






そんな大きな骨壷でも、夫のしっかり残っている骨を全て納めるには、長い時間骨をすり潰す音を聞き続けなければいけなかった






ミシミシ…というかギシギシというか表現が難しい何とも独特で不快な音






もう二度と聞きたくない音







だから私にはまたあの音を聞くなんて耐えられそうもない…






それに嫁が夫の骨を夜な夜な摺鉢で砕いてる姿、想像するだけでホラーだよね…






という事で粉骨は業者さんにお願いする事にした







ネットでヒットした県内の業者さんに連絡してみると丁寧に説明してくれたので、そちらで契約した






粉骨したものはUV殺菌をして、長期間保存出来るように専用の袋で真空パックになって戻ってくるらしい






なので、自宅に置いておく用と散骨用に小さな分骨パックなるものを2つオプションでお願いした







料金を振り込むと、早速遺骨郵送パックなるものを送ってくれる事になった






遺骨はヤマトや佐川では送る事は出来ないらしく、ゆうパックのみが取り扱ってるらしい






世の中にはまだまだ知らない事が沢山ある






夫が真空パックされる日がくるなんてね