家に帰って来た夫のお腹の上には沢山のドライアイスが載せられていました







それを葬儀屋のおじちゃんが新しい物に交換してくれ






「お顔を見てあげて下さい」







そう言って夫の顔に掛けられていた布を取ってくれました






すると本当にびっくりしたのですが







病院で最後に見た夫は少し苦しそうな顔だったのに、家に帰って来た夫は






少し微笑んでいる様な、お釈迦様の様な…本当に安らかな顔をしていました(友人達はせんとくんと言ってました)







家に帰ってこられてホッとしてるのね…






こんなに焦って帰って来なくても良かったのに…






でもおかえり




お疲れ様





そんな事を心の中で夫に話しかけました






葬儀の打ち合わせは夫が帰ってきた翌日から始まりました





最初、私が家族葬を考えている事を伝えると、






交友関係の広い人は家族葬にすると、葬儀に行けない為に大勢自宅に弔問に来られると言われました






その対応はかなり大変ですと…(確かに)



 



息子の事は母が面倒を見てくれているとはいえ、流石に夫の側につきっきりという訳にもいかないし、夫の交友関係は私が把握できないほど広い事…






それならば一般葬にして、そちらに来ていただいた方が我が家の事情としては一番いい選択なのかもしれない







そして以前にも書いたとおり、私達の結婚式は親戚も呼ばずに本当に家族だけの式だったので、妻として最後に会ったことの無い夫の友人や親戚の方達へお礼を言う機会があってもいいのではないかと思いました






そしてお通夜をしない一日葬儀での葬儀をする事に決め、葬儀屋のおじちゃんと話を進める事になりました






まず言われたのは、夫の場合棺のサイズ一般規格の市販品の中で一番大きな物でギリギリ入るかどうか…ということ






規格サイズだと棺の長さは190cmが最大だそうです






夫183cm…余白はほぼなし






その上のサイズは特注の棺しかないとの事で、そのお値段は50諭吉以上との事…






葬儀社に寄って取り扱う棺の種類やお値段は違うと思うので一概には言えませんけど…高いですね






そして長さが190センチ以上の特注の棺になると、我が家が希望した斎場の火葬場では火葬は出来ず、遠く離れた火葬場に行かなくてはならないと言われました






狭い棺でキツキツだけど予定していた火葬場か






大きい棺でゆとりあるサイズにして遠くの火葬場か






で、値段は…高い






どうしよう。。。







ちょっと狭い棺になっちゃうけど、我慢してね(ほぼ即答)






葬儀屋のおじちゃんは削れる所はちゃんと教えてくれて、ここら辺は値が張る物にしなくていいなどとアドバイスをくれました





葬儀も上を見たらキリが無いですからね…






こちらも無い袖は振れないので、抑えられる所は抑えつつ、広い斎場で貧相になり過ぎない程度の物で決めていきました





その中でも一番お金がかかって驚いたのは生花でした…






芸能人の方の葬儀でよく見る豪華な祭壇ってウン百万かかってるんだ…と初めて知りました





うちは無理だからね…夫よごめん






数万円単位の積み重ねでも、最終見積もり額は私の予想を超えていました…






そんな形で葬儀屋のおじちゃんと私で葬儀の全ての事を決めていき、その為の準備や弔問の方への対応、友人への連絡などもひとりで進めました






気が張っていたのもあるし、実際にはやる事が多くて大変でしたが、忙しい分気が紛れて助かった面もあります






それでも夜ひとりになると毎晩夫の側で泣いて、夫をなじりました






死んでもまだ怒られるのかよ…






夫はぼやいていたでしょうね