東京の病院では小児外科の先生、脳外科の主治医から手術と抗がん剤治療を勧められた訳ですが、やはり医師によって意見の違いがあるようで、
息子の訪問医とリハビリでお世話になっている病院の小児科の先生2人は抗がん剤の使用については反対だと言われました
リハビリの病院の先生は小児科で息子のような重度の障害児を沢山診ている先生
訪問医の先生は外科出身の先生ですが、訪問医として緩和ケアや在宅の看取りもされている先生です
息子のような状態の子が抗がん剤治療をすると、体力や抵抗力が健常者よりも低い為、肺炎などの合併症を起こす確率が高いので合併症によって死期が早まってしまう恐れが高い事(そういう症例を沢山診てきたと…)
元々息子は誤嚥性肺炎を何度かしており、抗がん剤で嘔吐するだけでも誤嚥に繋がるリスクが大きい
手術をするなら肝臓の転移箇所のみにして、リンパに関してはやらなくてもいいのではないかと(取っても…という意味)
そもそも小児外科の先生達も以前は抗がん剤治療はしない方がいいと言っていました
だから私もたとえ転移があっても抗がん剤治療はしないと思っていた…
昨年12月の退院時にはCTやMRIで見える様な転移などは無かったと言っていたので、転移はPET検査をするまでの退院後3ヶ月程の間に出来たものだと思います
PETの結果をなんとなく悪いかもしれない…とは思っていたけれどこれほどまでに転移するのが早いとは実際思ってはいませんでした
もう少し時間があるだろうと…
先生達は自分の考えを言った後に
「で、お母さんはどうしたいですか?」って
最終的に決めるのは私達親なんですよね…
夫にはまだ聞いていませんが、私の気持ちは
手術で切って切って悪い所が出来たらその都度を癌を取って、
抗がん剤で癌を叩いて息子に少しでも生きてほしい!!
とは思っていないんです
息子が産まれて13年
息子は小さい身体でずっと私の
『生きて!』
『頑張って!』
という期待に答えて何度も何度も痛みや辛さに耐えて生きてきました
しかしリンパや肝臓に転移が分かった今
私の
『息子に生きてほしい』
という願いに応えさせる為にこれからも辛い治療を繰り返し、息子が生きながらえる事が本当に息子の為にベストな答えなんだろうか…そう考える日々です
手術や抗がん剤などまだ出来る事があるのに親である私がその選択をしなければ間違いなく息子の命が消えてしまう…
本当にそれでいいのか…
最後の最後まで病気と闘い続けさせるのか
それとも息子の痛みが無いよう緩和のみにしていくのか
息子の大腸癌が見つかった時から何度も何度も繰り返し自問自答していますが未だに答えが見つかりません
息子は私が頑張ってとはもう言えない程頑張り続けて生きています
頑張って頑張って脳腫瘍の手術を乗り越え、沢山の障害や辛いてんかんを負っても頑張って生きてきた
精一杯頑張って生きてきたのにまた癌が出来た…
癌を抑制する遺伝子が産まれながらに変異していて、今回転移箇所が治ったとしても生きている限りずっと癌と闘い続ける人生…というか産まれてからずっと癌や障害しかない人生
息子は後どれだけ頑張り続けなくてはいけないんだろう…
もう頑張らなくていいよ…
そう言ってあげる事も私が息子の為に出来る事なのではないかと今は考えています
夫も次に脳腫瘍が再発すれば手術は出来ません
神経膠芽腫…再発後の再々発はそう遠くない未来です
夫に残された時間と息子に残された時間
家族3人で過ごせる時間はそう長くは無いと思っています
それならば3人で過ごせる時間を大切にして、幸せな時間を過ごしたい…
正解の無い答えを出すことはとても難しく、とても苦しい