昨日から夫のアバスチンの点滴治療が始まりました





効くのか





効かないのか






治療の選択肢は多くは無いのでやれる事は【効くと信じて】やっていくしかありません






来月からは私が息子の入院の付き添いで居ないので夫1人でアバスチンの点滴の為に病院に行かなければなりませんが、東京の病院ではなくて自宅近くの病院(夫の実家からは徒歩圏内)でアバスチンの治療が出来る事になったので本当に助かります









案内された外来化学療法室は、息子が生後4ヶ月の時に予防接種で訪れた小児科があるフロアの一画にありました






あの日、あの時までは普通の家族だった






あの日、あの時までは親子3人幸せな未来が当たり前に来ると思ってた






それが一変したのはあの日予防接種で訪れたこの場所で、息子の頭の大きさが気になると言ったひとことでした







あれから12年





この場所に違う目的で来る事になるとは思ってもいませんでした






よくドラマであるじゃないですか






今の自分が居て、その前で動く過去の自分の姿を見ているシーン






その位あの日の事を鮮明に思い出しました





あの日の天気





あの日息子に着せていた服





自分が着ていた服






色まではっきり思い出す程生々しい記憶






私の忘れていたかった記憶…





思い出す度に身体が震えて涙がどっと出て来ました






痛みって時間が経つと忘れるんだから






辛い記憶も綺麗さっぱり忘れられたらどんなに楽だろう…





人が殆ど居ないロビーで夫を待つ間、苦しくて辛くて何度も涙を拭きました






色々と時間がずれ込んで病院を出るのが遅くなったので、夫と2人でラーメンを食べて帰ることにしました






夫と他愛もない話しで笑い合いラーメンを食べていると、後どれだけの時間こうやって2人の時間を過ごせるんだろうと考えたら涙が溢れそうになりました






病院でゆるんだ涙腺はなかなか元には戻りませんでした






私の事を理解し、同じ価値観を共有出来る人にはきっと夫以外には巡り会う事は無いんだろうな…





そう思うと無性に寂しくなりました






息子が心配なのは当たり前ですが今の夫を残して自宅を離れる事、夫の側に居られない事はやはり辛いです






ラーメン屋さんの帰り道、信号待ちの時にそっと夫の手を握りました






握り返してくれた手はいつもの様に温かく私の手を包み込んでくれました






夫に出会って17年






来年も、再来年も夫と手を繋いでいたい