自分の声が嫌いだった。歌も嫌いだった。

理由は単純。小6の卒業式の練習の時、同級生の男子に「お前歌下手だよ」って言われたから。


一応、他にもある。昔ゲームにハマっていて、その中のボイスチャットで「お前男だろ」とか「声が男みたいで女として見れない」とか色々言われてたり裏声がガッサガサすぎて出しづらかったりした。



私が人生で初めてカラオケに行ったのは中学2年の頃。友達に連れられて初めてマイクを握った時、なぜか歌える気がして、自分の好きな曲を入れてみた。


歌えた。地声が出た。しかもうるさいくらいの声量で。自分でも驚きだった。楽しかった。


もっと上手くなれる気がして、それ以来カラオケに行くたびに録音をするようになった。録音は勉強中のBGMによく流している。

(下手すぎて聞けないくらいの時もあった。)



中学を卒業する前に、なにか爪痕を残したくてお別れ会の出し物に弾き語りで1人で立候補した。下手な自覚はあったけど、好きなものを誰かに教えたかった。


当日ステージの上に上がって歌い始めたらめちゃめちゃ気持ちがよかった。しかも観客の反応が意外だった。お世辞だかなんだかわからないけど「よかったよ!」っていう声が多かった。


それから、ボーカルは絶対譲りたくないぐらい自分の声に自身が持てるようになった。



私は歌が好きだ。誰になんと言われようとも、歌が好きだ。

今は、「きっとポップスとロックを歌うためにこの声ができあがったんだ」と思い込んでいる。

この前も同じクラスの子から「あかりちゃんの声って綺麗だね、歌も上手いし。」って言われて嬉しかった。歌い続けてよかった。

一生歌い続けたい。