「青藍」
「何だ」
コーヒ―カップの輪郭を指先でなぞりながら綾迦は傍に居る青藍の肩に自分の頭を乗せた。
柔らかすぎないソファは、青藍の見立てだ。
「流迦は帰ってくるかな」
「――――――感傷か?」
「・・・・・こっちの生活の方が良いのかも知れないし、な」
「何を馬鹿な。流迦は風の女だぞ。人間として生きるなんて不可能だ。陰の一族の神剣で切らない限り、完全な人間にはならない。このままでは流迦は死んでしまう。そうだろう?」
「ああ」
事実、流迦を人間にするにはあの剣で切らない限り不可能だ。
今はまだ、流迦に施した封印のお陰で身体の異常は見られないが――――やがて風の力が暴走するかもしれない。
そう考えると、天界に居た時に封印を施しておいたのは最良だったと言えるだろう。
「問題は、誰が、何故流迦を狙ったかと言う事だ」
「はやるな」
「流迦を庇って燦が切られ、人間に。その燦を追って流迦は人間になるため記憶を失った。記憶を無くす、それは相手も考えて無かった事だろうな」
「勿論だろう。だが、その方法を誰が教えたか、と言う事も有る」
「燦を追って次は緋冴が。そしてそれを追って涼と鴻。しかも龍迦や蒼迦までも」
「それに天界と繋ぎんも取れん。上でも何か起こっているのかもな」
ふう、と息を吐く綾迦の頭を青藍はそっと撫で、そのまま肩を抱いてやる。
「青藍・・・・・」
「上も気にはなる。なるが・・・・いざとなればアイツが居るからな」
「アイツって・・・・」
ハッとした顔で綾迦が青藍を見ると、青藍は当たり前だ、と言った顔で綾迦を見つめ返す。
「お前がこっちに来るのに、俺が前もって手を回さないはず無いだろう?」
「青藍――――――お前・・・・」
「アイツなら、お前の代わりに持って来いだからな。焔たち、今頃鍛えなおされてるだろうさ」
ニヤリ、と笑みを浮かべる青藍の表情に綾迦は大きく溜め息を吐き、何で、と呟きながら頭を抱えた。
「何でよりによって・・・・・」
「うん?久しぶりに会いたかっただろう?全部終わったらゆっくり甘えたら良いさ」
「今更、何を」
そう言いながらほんの少しだけ頬を染める綾迦の頭を青藍はまたゆっくりと撫でた。
ほんの少し少女の顔に戻る綾迦は久しぶりだ。
「元気だったぞ。それに、相変わらず男前だった。ま、俺には負けるが」
「そうか」
「お前の事を、気にしてた」
「・・・・・・」
「流迦の事も」
流迦の父親で有るアイツが出張って来れば、天界は大丈夫だ。
焔たちもいる。
今は、燦を一刻も早く見付け、そして天界に戻らねばならない。
青藍はもう一度きつく綾迦の肩を抱き締めると、そのままソファから立ち上がり、今日何杯目になるか解らないコーヒーを飲みにキッチンに向かった。
綾迦の恋のお相手は←
「何だ」
コーヒ―カップの輪郭を指先でなぞりながら綾迦は傍に居る青藍の肩に自分の頭を乗せた。
柔らかすぎないソファは、青藍の見立てだ。
「流迦は帰ってくるかな」
「――――――感傷か?」
「・・・・・こっちの生活の方が良いのかも知れないし、な」
「何を馬鹿な。流迦は風の女だぞ。人間として生きるなんて不可能だ。陰の一族の神剣で切らない限り、完全な人間にはならない。このままでは流迦は死んでしまう。そうだろう?」
「ああ」
事実、流迦を人間にするにはあの剣で切らない限り不可能だ。
今はまだ、流迦に施した封印のお陰で身体の異常は見られないが――――やがて風の力が暴走するかもしれない。
そう考えると、天界に居た時に封印を施しておいたのは最良だったと言えるだろう。
「問題は、誰が、何故流迦を狙ったかと言う事だ」
「はやるな」
「流迦を庇って燦が切られ、人間に。その燦を追って流迦は人間になるため記憶を失った。記憶を無くす、それは相手も考えて無かった事だろうな」
「勿論だろう。だが、その方法を誰が教えたか、と言う事も有る」
「燦を追って次は緋冴が。そしてそれを追って涼と鴻。しかも龍迦や蒼迦までも」
「それに天界と繋ぎんも取れん。上でも何か起こっているのかもな」
ふう、と息を吐く綾迦の頭を青藍はそっと撫で、そのまま肩を抱いてやる。
「青藍・・・・・」
「上も気にはなる。なるが・・・・いざとなればアイツが居るからな」
「アイツって・・・・」
ハッとした顔で綾迦が青藍を見ると、青藍は当たり前だ、と言った顔で綾迦を見つめ返す。
「お前がこっちに来るのに、俺が前もって手を回さないはず無いだろう?」
「青藍――――――お前・・・・」
「アイツなら、お前の代わりに持って来いだからな。焔たち、今頃鍛えなおされてるだろうさ」
ニヤリ、と笑みを浮かべる青藍の表情に綾迦は大きく溜め息を吐き、何で、と呟きながら頭を抱えた。
「何でよりによって・・・・・」
「うん?久しぶりに会いたかっただろう?全部終わったらゆっくり甘えたら良いさ」
「今更、何を」
そう言いながらほんの少しだけ頬を染める綾迦の頭を青藍はまたゆっくりと撫でた。
ほんの少し少女の顔に戻る綾迦は久しぶりだ。
「元気だったぞ。それに、相変わらず男前だった。ま、俺には負けるが」
「そうか」
「お前の事を、気にしてた」
「・・・・・・」
「流迦の事も」
流迦の父親で有るアイツが出張って来れば、天界は大丈夫だ。
焔たちもいる。
今は、燦を一刻も早く見付け、そして天界に戻らねばならない。
青藍はもう一度きつく綾迦の肩を抱き締めると、そのままソファから立ち上がり、今日何杯目になるか解らないコーヒーを飲みにキッチンに向かった。
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