恋までもう少し 2 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
何やら楽しそうな声が聞こえて、俺はまだ覚ましたくない瞳を無理に開けた。
燦たち、帰ってきたのかと思ったからだ。
だけど、そこには全く見覚えの無い女性――――――と子供。そして咲良。
な、何だ?
「鴻さま、起こしてしまいましたの?」
咲良姫の声に、俺は背中を上げて、座りこむ。
咲良姫の横に居る女性に、正直見惚れてしまった。
何だ、この美人。―――――と子供。いや、もとい少女は。
「ああ、鴻さまは初めてお会いするのでしたね。この方は光の一族の宵さま。そしてこちらが妹姫の萌さまですわ」
「お初にお目もじ致します、水の王子さま」
「・・・・・・」
恭しく口上を述べ、頭を下げる美人と、むっつりとしながら頭をちょこんと下げる少女。
俺は本当に吃驚していた。
こんな儚げな美人に逢う事は初めてだ。
「急にお邪魔してしまって・・・・萌と散策しておりましたら、たまたま咲良さまのお姿が見えたのでご挨拶に」
「いえッ、邪魔なんてとんでも無いッ」
今、俺の声はきっと上擦っていたはずだ。
それだけ目の前の美人に圧倒されてたって事だな、うん。
流迦姫や緋冴姫、咲良姫の美しさとまた種類の違う美しさ。
儚げなその憂いを帯びた微笑みの為なら何でもする男は多そうだ。うん。
「お伴も連れず出て行くから慌てて萌が付いて来てあげたんでしょ」
横の少女もまた可愛らしい赤い唇を突きださせる。
この少女もあと数百年すればすこぶる可愛らしい姫になる事請負いだ。
「水の王子さまは咲良さまとお二人で?」
「いえ、違いますわ。燦さまと緋冴さま、それに流迦さまと涼さまも一緒なのです」
「まぁ。それは楽しそうですわね」
そう言って宵姫は長い髪をゆらりと揺らしながらにっこりと俺に笑顔を向ける。
彼女の顔に沿って流れる髪も、キラキラと光って見えるのは光の加減なのか、はたまた光の一族だからなのか。
「燦、さまも居るの、歌姫」
「ええ、萌さま。燦さまもいらっしゃいますよ。きっともうじき帰って来られます」
「・・・・・・・」
ん?萌と呼ばれた姫は居たたまれないような、もしくは困惑を浮かべ、宵姫をチラチラと見た。
宵姫は微笑んだまま萌姫を見つめ返すばかりだ。
「早く帰ろう」
「萌さま?どうなさったの」
咲良姫が優しく問い掛けても、萌姫は小さく首を振るばかりだ。
何だ?
―――――――もしかして。いっちょまえに燦に恋してるとかッ?
いや、無いな、うん。
そんな訳・・・・無いよな。
どっちかって言うと困った顔だ。
「萌。折角ですもの。皆さまにご挨拶してからにしましょう」
「嫌よ」
「萌」
困った声を上げる彼女の表情は声とは裏腹に相変わらず穏やかだ。
声と顔は別もんなのか?
思わず俺は彼女から視線を逸らした。
すると萌姫が救いを求めるような顔で俺を見てる。
「何だ、姫さん」
「―――――変な呼び方しないで」
「ははっ。それは済まん。俺はだいたい皆にこう言う話し方なんだ。あんまり気にしないでくれ」
「―――――変」
萌、と少女を諌める様な宵姫の声が聞こえたが、俺的にはこの萌って姫のさっきの表情が気になってたから丁度良い。
「燦とは面識有るんだよな?じゃあ、ちょっくら迎えにでも行って来るか」
「嫌、そんな行かなくても良いわ」
慌てた様子で俺を制止する萌姫。
くるくると変わる瞳の輝きに俺は思わず吹き出してしまった。
「なっ、何笑ってるのよ!」
「何だよ、一体燦と何が有ったんだ?」
「―――――――ッ」
息を飲み、俺を見つめる瞳。その顔がみるみる内に赤くなって行く。
「話してみろよ。燦と俺は親友だぜ?」
そうか、親友にまでなったのか(笑)
何やら楽しそうな声が聞こえて、俺はまだ覚ましたくない瞳を無理に開けた。
燦たち、帰ってきたのかと思ったからだ。
だけど、そこには全く見覚えの無い女性――――――と子供。そして咲良。
な、何だ?
「鴻さま、起こしてしまいましたの?」
咲良姫の声に、俺は背中を上げて、座りこむ。
咲良姫の横に居る女性に、正直見惚れてしまった。
何だ、この美人。―――――と子供。いや、もとい少女は。
「ああ、鴻さまは初めてお会いするのでしたね。この方は光の一族の宵さま。そしてこちらが妹姫の萌さまですわ」
「お初にお目もじ致します、水の王子さま」
「・・・・・・」
恭しく口上を述べ、頭を下げる美人と、むっつりとしながら頭をちょこんと下げる少女。
俺は本当に吃驚していた。
こんな儚げな美人に逢う事は初めてだ。
「急にお邪魔してしまって・・・・萌と散策しておりましたら、たまたま咲良さまのお姿が見えたのでご挨拶に」
「いえッ、邪魔なんてとんでも無いッ」
今、俺の声はきっと上擦っていたはずだ。
それだけ目の前の美人に圧倒されてたって事だな、うん。
流迦姫や緋冴姫、咲良姫の美しさとまた種類の違う美しさ。
儚げなその憂いを帯びた微笑みの為なら何でもする男は多そうだ。うん。
「お伴も連れず出て行くから慌てて萌が付いて来てあげたんでしょ」
横の少女もまた可愛らしい赤い唇を突きださせる。
この少女もあと数百年すればすこぶる可愛らしい姫になる事請負いだ。
「水の王子さまは咲良さまとお二人で?」
「いえ、違いますわ。燦さまと緋冴さま、それに流迦さまと涼さまも一緒なのです」
「まぁ。それは楽しそうですわね」
そう言って宵姫は長い髪をゆらりと揺らしながらにっこりと俺に笑顔を向ける。
彼女の顔に沿って流れる髪も、キラキラと光って見えるのは光の加減なのか、はたまた光の一族だからなのか。
「燦、さまも居るの、歌姫」
「ええ、萌さま。燦さまもいらっしゃいますよ。きっともうじき帰って来られます」
「・・・・・・・」
ん?萌と呼ばれた姫は居たたまれないような、もしくは困惑を浮かべ、宵姫をチラチラと見た。
宵姫は微笑んだまま萌姫を見つめ返すばかりだ。
「早く帰ろう」
「萌さま?どうなさったの」
咲良姫が優しく問い掛けても、萌姫は小さく首を振るばかりだ。
何だ?
―――――――もしかして。いっちょまえに燦に恋してるとかッ?
いや、無いな、うん。
そんな訳・・・・無いよな。
どっちかって言うと困った顔だ。
「萌。折角ですもの。皆さまにご挨拶してからにしましょう」
「嫌よ」
「萌」
困った声を上げる彼女の表情は声とは裏腹に相変わらず穏やかだ。
声と顔は別もんなのか?
思わず俺は彼女から視線を逸らした。
すると萌姫が救いを求めるような顔で俺を見てる。
「何だ、姫さん」
「―――――変な呼び方しないで」
「ははっ。それは済まん。俺はだいたい皆にこう言う話し方なんだ。あんまり気にしないでくれ」
「―――――変」
萌、と少女を諌める様な宵姫の声が聞こえたが、俺的にはこの萌って姫のさっきの表情が気になってたから丁度良い。
「燦とは面識有るんだよな?じゃあ、ちょっくら迎えにでも行って来るか」
「嫌、そんな行かなくても良いわ」
慌てた様子で俺を制止する萌姫。
くるくると変わる瞳の輝きに俺は思わず吹き出してしまった。
「なっ、何笑ってるのよ!」
「何だよ、一体燦と何が有ったんだ?」
「―――――――ッ」
息を飲み、俺を見つめる瞳。その顔がみるみる内に赤くなって行く。
「話してみろよ。燦と俺は親友だぜ?」
そうか、親友にまでなったのか(笑)