「「ありがとうございます」」
綾迦に渡されたその装身具を、涼と鴻は遠慮がちに握り締めた。
風王から何かを授かることになろうとは―――――――
しかも風の力、とは。
涼と鴻は掌に小さく収まるその煌めきに再度頭を下げた。
そこへまた、影が重なって行く。見上げると、そこには焔と煌、そして燦に支えられた灼鳴。奥には父、涬の姿も見える。
「何だ、綾迦。お前はもう何かやったのか」
「ああ、風の力を少しな。―――――」
焔の問い掛けに綾迦が答えると、焔と煌は溜め息を漏らした。
「「またそんな簡単に・・・」」
「良いでは無いか。灼鳴と咲良の命に比べたら是非も無い」
「まぁな」
焔は鼻の下を嬉しそうに掻くと、指先で小さな炎を作った。
ポッ、と小さな音と共に灯るその火を紐の様に手繰り、器用に形作って行く。
「綺麗・・・・」
思わず口に出す流迦に焔は嬉しそうに微笑みながら何度も円を作って行くとやがてそれは赤い炎の腕輪の形になって行った。
「よし、こんなもんだろ」
自分の作品の出来に満足なのか、焔は嬉しそうに声を出すと、有無を言わず、その腕輪を涼と鴻の右腕にそれぞれ付ける。すると、形造っていたその腕輪はみるみる内に2人の体内に沈み込む。
「これは、火の力を使えるように出来るもんだ。だが、お前らは一応水の王子だからな。火と水は相性が悪い。―――――実際、涬はいつも容赦無いからな・・・・たく。おっと、そうじゃ無くてだな。お前たちの水で相性が悪い相手に、火が有効な場合が有る。つまり、そう言う時に簡単に火の力を使うことが出来るって訳だ。うん」
事も無げに言い放つ焔の言葉に慌てて涼と焔が顔を見合わせる。
―――――――――それは、火の力を手に入れた、と言っても過言では無いのだ。
「灼鳴を救ってくれて礼を言おう、水の王子」
「お前も簡単に力をやるでは無いか」
「全く、信じられん」
焔の与えた力はかなり大きなものだ。王たちはそれを感じ、お互いに微笑むと、軽口を叩き合った。
「さて、では私からはこれを差し上げよう」
次いで進み出た咲良の父、華王煌は袂から小さな花を差し出した。
「「これ、は」」
白い小さな花弁のその花は萎れる事も感じさせず、生命感に溢れている。
「綾迦と焔からは力を貰ったからね。――――――さ、手に取って、花弁に唇を押し当ててごらん」
煌の促す言葉に、涼と鴻がそれぞれ白い花を手に取り花弁に唇をおずおずと押し当てる。
すると、不思議なことにそれぞれの花が大きくなって行く。
「「な、何」」
涼と鴻が驚愕の声を上げると、やがてそれは花からの変化を終えた。
「何と、ね。さすがは涬。キチンとした教育をしていたらしいね」
煌の嬉しそうな声が響く。
「教育、―――――――したのは妻だ」
涬の静かな声にもどことなく嬉しそうな響きが含まれている。
その花から変化したもの・・・・・・それは今や竪琴となって2人の手にぴったり収まっていたのだ。
「これ、って」
「うんうん。君たちはきっと音楽にも才が有るんだ。その白い花は芸術的な事に敏感な花でね。咲良が生まれた時には歌声を上げた。いまや咲良は天下の歌姫。―――――――その咲良を救ってくれた君たちへの礼だ。その竪琴の調べには不思議な力も有るから、ま、使ってみるが良い」
たまにはおと―様も(笑)
綾迦に渡されたその装身具を、涼と鴻は遠慮がちに握り締めた。
風王から何かを授かることになろうとは―――――――
しかも風の力、とは。
涼と鴻は掌に小さく収まるその煌めきに再度頭を下げた。
そこへまた、影が重なって行く。見上げると、そこには焔と煌、そして燦に支えられた灼鳴。奥には父、涬の姿も見える。
「何だ、綾迦。お前はもう何かやったのか」
「ああ、風の力を少しな。―――――」
焔の問い掛けに綾迦が答えると、焔と煌は溜め息を漏らした。
「「またそんな簡単に・・・」」
「良いでは無いか。灼鳴と咲良の命に比べたら是非も無い」
「まぁな」
焔は鼻の下を嬉しそうに掻くと、指先で小さな炎を作った。
ポッ、と小さな音と共に灯るその火を紐の様に手繰り、器用に形作って行く。
「綺麗・・・・」
思わず口に出す流迦に焔は嬉しそうに微笑みながら何度も円を作って行くとやがてそれは赤い炎の腕輪の形になって行った。
「よし、こんなもんだろ」
自分の作品の出来に満足なのか、焔は嬉しそうに声を出すと、有無を言わず、その腕輪を涼と鴻の右腕にそれぞれ付ける。すると、形造っていたその腕輪はみるみる内に2人の体内に沈み込む。
「これは、火の力を使えるように出来るもんだ。だが、お前らは一応水の王子だからな。火と水は相性が悪い。―――――実際、涬はいつも容赦無いからな・・・・たく。おっと、そうじゃ無くてだな。お前たちの水で相性が悪い相手に、火が有効な場合が有る。つまり、そう言う時に簡単に火の力を使うことが出来るって訳だ。うん」
事も無げに言い放つ焔の言葉に慌てて涼と焔が顔を見合わせる。
―――――――――それは、火の力を手に入れた、と言っても過言では無いのだ。
「灼鳴を救ってくれて礼を言おう、水の王子」
「お前も簡単に力をやるでは無いか」
「全く、信じられん」
焔の与えた力はかなり大きなものだ。王たちはそれを感じ、お互いに微笑むと、軽口を叩き合った。
「さて、では私からはこれを差し上げよう」
次いで進み出た咲良の父、華王煌は袂から小さな花を差し出した。
「「これ、は」」
白い小さな花弁のその花は萎れる事も感じさせず、生命感に溢れている。
「綾迦と焔からは力を貰ったからね。――――――さ、手に取って、花弁に唇を押し当ててごらん」
煌の促す言葉に、涼と鴻がそれぞれ白い花を手に取り花弁に唇をおずおずと押し当てる。
すると、不思議なことにそれぞれの花が大きくなって行く。
「「な、何」」
涼と鴻が驚愕の声を上げると、やがてそれは花からの変化を終えた。
「何と、ね。さすがは涬。キチンとした教育をしていたらしいね」
煌の嬉しそうな声が響く。
「教育、―――――――したのは妻だ」
涬の静かな声にもどことなく嬉しそうな響きが含まれている。
その花から変化したもの・・・・・・それは今や竪琴となって2人の手にぴったり収まっていたのだ。
「これ、って」
「うんうん。君たちはきっと音楽にも才が有るんだ。その白い花は芸術的な事に敏感な花でね。咲良が生まれた時には歌声を上げた。いまや咲良は天下の歌姫。―――――――その咲良を救ってくれた君たちへの礼だ。その竪琴の調べには不思議な力も有るから、ま、使ってみるが良い」
たまにはおと―様も(笑)