蒼迦の鋭い視線を受け、燦は思わずその視線から瞳を逸らした。
蒼迦の傍らに居る流迦の瞳が憐憫を含んでいる様に見えるのは気のせいだろうか。
―――――――どこまで、卑屈になって行くんだ、俺・・・・
「それで火の王子とはな・・・・」
ふん、と鼻を鳴らしながら心底軽蔑したかのように呟く蒼迦は、暫く会って居ないせいも有って、前回より威圧感が増している。
そんな、燦の項垂れた視線の前に2つの影が被さった。
「他人を貶めるのも誇り高い風の王子とは思え無い行動ですが・・・・・」
「涼、それは初対面とは言え、言い過ぎだ」
口調に笑いを含みながら呟く2つの影・・・・涼と鴻は燦を両側から挟み込み、たじろぐ事無く、蒼迦を真正面から見つめている。
「なっ――――――――――」
「ああ、すみません。僕たちは水の一族。僕は涼。こっちは鴻。初めまして、風の方」
そう言って極上の笑顔を蒼迦に向ける涼。そしてそれを楽しそうに見つめる鴻もまた、儀礼的な笑顔を向けた。
「水、のね・・・・・・成程、私は風の蒼迦。母は風王、父は華王だ」
「くくっ・・・・」
蒼迦の言葉に鴻が思わず噴き出すと、涼が口角を少し持ち上げ、チラリ、と燦を見た。
涼・・・鴻・・・・
燦は両側に佇む2人を交互に見ながら慌てて視線を上げた。
美貌の双子に挟まれているのは何となく気恥かしかったが、この2人が今、自分の為にここに居てくれているのだ、と感じると不思議と背筋が伸びる。
そうすると、黙り込んでいた青藍が小さい頭を燦の耳にくっつけた。
『燦さま、燦さまは何も話してはいけませんよ』
そう、コソッと燦に囁くと、青藍は心配そうに羽で軽く頬を撫でて来る。
何で、話しちゃいけないんだ・・・
だが自分が何か要らない事を言うかもしれない、と燦は素直に頷いた。
「何故笑う?」
噴き出した鴻に対して不快感を隠そうともせずに、蒼迦の冷たい声が響くと、鴻は射るように斜めから蒼迦を見上げ、そしてふん、と声を出した。
「わざわざ父や母の名前を出す奴なんてたかが知れてるって事だ。父や母の名で自分が偉くなったつもりか?と思ってね」
「なッ―――――――!」
「驕り高ぶってる奴ってのはアンタみたいな奴だね、きっと」
「貴様・・・・・・無礼な・・・・・今のは父と母まで愚弄したのと同じだぞ」
「・・・・・アンタ、本気か?愚弄だと?先に俺らの友人を貶めたのはアンタだぜ。それにアンタの言い方じゃ、風王や華王が俺の言葉に怒り狂うから早く謝れって聞こえるぜ。良いか?喧嘩ってのはな、個人でやるんだ。親出して来て勝ったつもりかよ」
「きさ、ま」
蒼迦の顔が見る見る内に赤く紅潮して行くと、鴻はまたも鼻で笑う。
そんな鴻を苦々しく睨み付けると、蒼迦は燦と涼をも同じ様に睨み付けた。
「ふん――――――――似た者同士、せいぜい群れると良い。貴様らに守られて黙っている男とな」
「・・・・・風の方。僕たちの友人、だと申し上げたはずです。守っているつもりは有りません。友人だからこそ、支えているのです。何故そこまで燦に攻撃的になるのか・・・・あなたはまるで子供です」
燦と涼、そして鴻。それに相対する蒼迦と流迦。
それをこの同室で見つめる王たちは互いに思惑を持ったままこの諍いを楽しげに見つめていた。
蒼迦、大人になるのよ←
蒼迦の傍らに居る流迦の瞳が憐憫を含んでいる様に見えるのは気のせいだろうか。
―――――――どこまで、卑屈になって行くんだ、俺・・・・
「それで火の王子とはな・・・・」
ふん、と鼻を鳴らしながら心底軽蔑したかのように呟く蒼迦は、暫く会って居ないせいも有って、前回より威圧感が増している。
そんな、燦の項垂れた視線の前に2つの影が被さった。
「他人を貶めるのも誇り高い風の王子とは思え無い行動ですが・・・・・」
「涼、それは初対面とは言え、言い過ぎだ」
口調に笑いを含みながら呟く2つの影・・・・涼と鴻は燦を両側から挟み込み、たじろぐ事無く、蒼迦を真正面から見つめている。
「なっ――――――――――」
「ああ、すみません。僕たちは水の一族。僕は涼。こっちは鴻。初めまして、風の方」
そう言って極上の笑顔を蒼迦に向ける涼。そしてそれを楽しそうに見つめる鴻もまた、儀礼的な笑顔を向けた。
「水、のね・・・・・・成程、私は風の蒼迦。母は風王、父は華王だ」
「くくっ・・・・」
蒼迦の言葉に鴻が思わず噴き出すと、涼が口角を少し持ち上げ、チラリ、と燦を見た。
涼・・・鴻・・・・
燦は両側に佇む2人を交互に見ながら慌てて視線を上げた。
美貌の双子に挟まれているのは何となく気恥かしかったが、この2人が今、自分の為にここに居てくれているのだ、と感じると不思議と背筋が伸びる。
そうすると、黙り込んでいた青藍が小さい頭を燦の耳にくっつけた。
『燦さま、燦さまは何も話してはいけませんよ』
そう、コソッと燦に囁くと、青藍は心配そうに羽で軽く頬を撫でて来る。
何で、話しちゃいけないんだ・・・
だが自分が何か要らない事を言うかもしれない、と燦は素直に頷いた。
「何故笑う?」
噴き出した鴻に対して不快感を隠そうともせずに、蒼迦の冷たい声が響くと、鴻は射るように斜めから蒼迦を見上げ、そしてふん、と声を出した。
「わざわざ父や母の名前を出す奴なんてたかが知れてるって事だ。父や母の名で自分が偉くなったつもりか?と思ってね」
「なッ―――――――!」
「驕り高ぶってる奴ってのはアンタみたいな奴だね、きっと」
「貴様・・・・・・無礼な・・・・・今のは父と母まで愚弄したのと同じだぞ」
「・・・・・アンタ、本気か?愚弄だと?先に俺らの友人を貶めたのはアンタだぜ。それにアンタの言い方じゃ、風王や華王が俺の言葉に怒り狂うから早く謝れって聞こえるぜ。良いか?喧嘩ってのはな、個人でやるんだ。親出して来て勝ったつもりかよ」
「きさ、ま」
蒼迦の顔が見る見る内に赤く紅潮して行くと、鴻はまたも鼻で笑う。
そんな鴻を苦々しく睨み付けると、蒼迦は燦と涼をも同じ様に睨み付けた。
「ふん――――――――似た者同士、せいぜい群れると良い。貴様らに守られて黙っている男とな」
「・・・・・風の方。僕たちの友人、だと申し上げたはずです。守っているつもりは有りません。友人だからこそ、支えているのです。何故そこまで燦に攻撃的になるのか・・・・あなたはまるで子供です」
燦と涼、そして鴻。それに相対する蒼迦と流迦。
それをこの同室で見つめる王たちは互いに思惑を持ったままこの諍いを楽しげに見つめていた。
蒼迦、大人になるのよ←