秋霖雨 episode 3■□■□■□■□■□
俺が何故あいつを探しているかだって――――――――?
俺は、昔から何でもソツなくやって来たんだよ。
そうさ、今じゃ剣豪なんて呼ばれてる。
この幼い顔立ちが近所で有名になったお陰で、今じゃゴロツキだって構ってきやしない。
クッ、皮肉なもんさ。
俺は強くなりたかった。
だから何度も死を覚悟に立ち合って来たのに、もう誰も相手にもしてくれねぇ。
そうさ、1つの場所に留まる事なんてもう出来ない。
ん?ああ、そうだな―――――
まぁ、良いか。話してやるよ。
俺はな、もう歳を取らないのさ。
いつ死ぬのか、もう解らねえ・・・・。
そんな小馬鹿にした顔するなよ。
ああ、そうだ。顔に出てるぜ?
死なねえ奴なんか居ない。当たり前だ。
だけどな、俺は・・・・・いや、あいつに会った奴はもう死なねえ。
ああ、先日やっとその仲間に会えた。
まだ、知らねえみたいだったな。
自分が死なない運命になった事は。
ん?
言う訳ねえよ。
・・・・・・知らない方が今は幸せなはずだ。
まだ、会ってからそんな時間も経ってねえようだった。
ああ、その内、気付くだろうさ。
肉親は死に、友人が老いて行き・・・・そして自分の異様さに、な。
俺か?
ああ、そうだ。身内はもう居ねえよ。
恋人?
居たさ。昔。
どんな奴だって?
―――――そりゃぁ、美人だったさ。
村一番の別嬪だ。
それに何より強かったさ。
俺より強かった。あの太刀筋。あの剣さばき。そしてあの体術。
俺はあいつに敵わないかもな。
ああ、今でも、だよ。
?
ああ、そうだ。
俺は今でもそいつを探してる。