「おい、涼・・・」
「何だ」
「その不機嫌極まりない顔を止めろ。流迦と咲良さまが気を使う」
「五月蠅い」
燦の窘めにも変わらず不快感を募らせながら、涼は前を走る緋冴と鴻を見つめた。
緋冴は一度も振り返る事も無い。
確かに騙したのは悪かったけどさ・・・・
だってそうでもしなきゃ、姫と出掛けたりなんか出来ない・・・・。
確かに子供っぽいのも解ってる。
変に嫉妬したりしてしまうのも―――――――
知らず知らずに大きな溜め息を付いていたのか、後方から流迦が優しく涼に声を掛けた。
「涼さま―――――――」
困った様に微笑む流迦の表情は柔らかい。
その笑顔にほんの少しだけ心を和ませながら、涼は膝に片肘を付き、頬杖を付いた。
「涼さま、あの・・・・」
「言わないで、風姫。解ってる。これでも反省してるんだ―――――」
「涼さまは、やはり、緋冴さまの事を?」
咲良が問い掛ける言葉にさっと頬を赤らめると、逡巡しながら、ゆっくりと涼は頷いた。
「まぁ、やっぱり」
嬉しそうに流迦と咲良が声を上げるが、燦だけは不機嫌そうに前を向いたままだ。
「燦さま!そんな態度をなさって!」
「そんな事言ったって、微妙な気持ちなんだよ・・・・」
流迦の厳しい声に燦は困った様に呟き、そしてわざとらしく溜め息を付いた。
「まぁ、燦さま。それなら龍迦さまや蒼迦さまにも同じこと言われますよ?」
「咲良さままで!―――――そんなに苛めないで下さい・・・」
「――――燦、片無しだな」
「お、お前が言うなッ!」
冷めた口調で呆れたように言う涼に燦は間髪入れずに答え、その2人の姿に流迦と咲良は嬉しそうに微笑み合った。
「涼さま、私たち、応援致しますから」
「緋冴さまにはやはり正攻法ですわ」
楽しそうにはしゃぎ合う2人の麗しい姫の言葉に涼は頷いた。
応援団長は流迦になるのかしらん(笑)