◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇Far expectation 9


やや有って煌と涬が到着し、鈴迦との話を終え、皆と合流する頃。

朔は相変わらず悶々とした考えを頭に巡らせていた。

やはり、姫君と共に闘うなど、朔には考えられない。

朔にとって女性、と言う存在は守るべき、慈しむ存在だと、考えていたからかもしれない。

だが、周囲は綾迦は強いから心配無い、と言うばかりで朔の考えと一致する事は無かった。

鈴迦からそう決められたのも手伝ってか、周囲は皆明るく今後の話に華を咲かせている。

今、此処に居るのは朔を含めて7人――――――

朔、棗、焔、皇、煌、涬そして朔の頭を悩ませる綾迦だ。

見目麗しく、精悍な顔付きの王子達に比べ、やはり綾迦は可憐な少女にしか見えない。

「朔、まだ考えているのか」

呆れた口調で朔の肩に寄りかかってくるのは、やはり棗だ。

棗は皆と面識が有るのでそれとなく皆と朔の間に立ってくれる。

そのさりげない優しさに救われながら、朔は力無く頷いた。

「僕には・・・・やっぱり」

「うんうん。確かにな。だが今のこの素晴らしい面子を見ろ。万に1つも起きる訳が無い」

おどけた口調の棗を目の端に入れながら、やはり朔の心は晴れない。

「そうだね・・・・こんなに仲間が増えるとは思わなかったし・・・」

「そうだ、その通り。全一族が集まるなど、前代未聞だ。な」

そう言うと棗は片目を瞑り、朔の肩を叩いた。

「狼迦さまたちはどうしたんだ?」

「ああ、居残ってくれる王子たちは皆鈴迦さまの処だ。守りについて話しているのだろう――――それで、いつ発つ?」

棗の言葉に周りにいた全員が振り返る。

「―――――では明日に」

皆の視線から自分のそれを外すと、朔は簡潔に答え、その場を去った。

棗の何か言う声が聞こえたが、今日はただ1人で考えたかった。

部屋を出て外の空気を思い切り吸い込むと、有る聖域を思い浮かべ、そして眼前に現れた漆黒のヴェールにその身を差し入れて行く。


少し前に会った、あの少女は今日は来ていないだろうな・・・。

そう言えばどことなくあの少女と風の姫、綾迦は雰囲気が似ているかもしれない。

そう思いながら、さくさく、柔らかな草を音を立てて歩んで行く。

やがて見晴らしの良い処で立ち止まると、その身体を柔らかい草の上に横たえた。

肌を撫でる心地良い風にゆっくりと瞳を閉じると、先程までの悶々とした考えが胸の中から消えて行くかの様だ。

このまままどろんで今日は此処で休もうか・・・・そうだ、それも良いかも・・・・

しかし、その考えは瞬時にかき消えた。

頭上から聞こえてくるのは聞き慣れない、だが聞いた事の有る声。

「また会ったな。朔」

瞳を開けると、やはりあの少女が満面の笑顔で朔を覗き込んでいた。





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風王~幻想~



来ました、今回もッ!!!!!!!!!!!!

飛鳥さん、愛してる・・・・マジ。

外伝の王子たちなのです!飛鳥サンのお気に入りの朔じゃ無い処がまたニクイ!

年賀状そっちのけで書いて頂きました(感涙)


そんな優しい飛鳥サンのブログへ是非!雨粒の落ちる頃には。