「は、母上・・・」
「何だ、蒼迦」
「それは・・・本当なのですか」
綾迦は大きく溜め息を着くと、蒼迦を見つめた。
「今、そう言ったはずだが」
「で、では」
「流迦にはおらん。そんな事を言ってくる馬鹿な奴はまだおらんわ」
綾迦の言葉に蒼迦は安堵したように頬笑み、頷いた。
「全く・・・・・お前にはほとほと呆れる。そんなに過保護にしているといつか流迦に嫌われるぞ」
「そんな事有り得ません」
流迦が蒼迦を嫌う事など有り得ない―――蒼迦はそう信じ切った眼で綾迦を見上げた。
「ふん・・・」
綾迦は軽く口を曲げると、小さく呟いた。
「それは、どうだかな」
綾迦の言葉に焔が驚きの顔を向けた。皇と煌は呆れ顔だが、素知らぬふりだ。
わざわざ親子の諍いに口を出す気も無いらしい。
「綾迦・・おい」
「皆にもう1つ申し伝えておく。先ほど龍迦とも話をしたが・・・今度の風華祭、宮殿の警護には龍迦、蒼迦、緋冴、そして龍迦の推挙で燦に任す事にした」
「け、警護ってお前、おい綾迦」
「焔、お前の娘と息子は借りるぞ」
「例年通り、お前と俺で事足りるだろうがっ。良いじゃねぇか、子供達には楽しんで貰えば」
「焔・・・・お前はぬるい。優しさだけでは子は育たん」
綾迦ははっきりと断言すると、燦の肩に留まっている青藍を呼んだ。
「青藍、お前は燦に付いててやれ」
『風矢さま・・・ちょっと蒼迦さまにきつくありませんか?』
青藍の小さく呟く声に綾迦は同じく小声で呟いた。
「咲良を泣かせたからな。お仕置きだ」
――――――それですか。青藍は羽を拡げると、やれやれと燦の肩に飛び戻った。