「パパ!!」
私は人波をくぐり抜け、2人の場所たどり着いた。


-ま、間違いない。この人だ。
「ルカ。ママは少し遅れるそうなんだ。」

-そんな事今はどうでも良い!
私は逸る気持ちを押さえながら問い掛けた。


「こ、の、人はパパのお知り合い…?」
「ああ!!…そうだよ。パパの会社でね」

-か、会社!?このド派手な人が!?

私は目を白黒させながらパパと女性を交互に見た。


「言い方が少し違うんじゃないの?」
クスッと笑いを漏らしながら彼女が言った。
「会社で使うお店の、女でしょう?」


-店?やっぱり水商売って事!?
一体何がどうなってるの??


*


あの後、女性は「娘さんと待ち合わせだったのに、ごめんなさいね」と鈴の様な声でパパと私に謝り、颯爽と夜の街に消えていった。


「パパ…、お願いが有るの…」
ママを待つ間、私はパパにさっきの女性の事をさりげなく会話に混ぜながら聞き出した。
彼女の働いている店、場所…頭の中にインプットして行く。

そしてパパにお願いをした。


ほどなくママが現れて、私達は朝の様な仲良し家族で会話や食事を楽しんだ。


朝から夕方までの違和感はあまり感じない。

-そうだよね、こんな仲良し家族に憧れてたんだもん…
だんだん慣れて来たのかな…。人間ってすぐ良い事には慣れて行くのかな…


自分で築いた訳では無いのにその幸せに浸ってしまう…


-弱いな、私って。
ふ、と自嘲気味な笑みが零れた。