私は追い詰められたネズミの様な錯覚を起こしそうになりながらひたすら走った。


後ろには白いパーカーの男達。


もつれ、絡みそうになる足をひたすら動かし、私は住宅街の中に逃げ込んだ。


奥ばったへこみに体を隠し、息を潜める。


すぐ近くを走り抜ける足音が大きくなってどんどん小さくなった。


どくどくと、心臓が跳ねる。今、動いたら、見付かっちゃう。

何をされるか…朝、パパが言っていた「襲われる」と言う言葉がぐるぐると頭を回っていた。


どうしよう、どうしたら良いの??

そ、そうだ、家に電話して、迎えに…家より、警察にと携帯を取りだそうとした瞬間、

「みぃーつけたっ」
と嬉しそうな男の声が頭上から降り注いだ。




*

大声を出そうとする私の口を一番に手で塞ぎ、腕を捻られ私は男に押し出される様に道路に出された。

そこへ、仲間なんだろう、黒いワンボックスカーが停車した。
中からドアが開き、私はそこに押し込まれ、その直後に車は発進した。


車の中にはさっきの男達が居て、私を両側から挟む様に座った。
ぎゅっとカバンを握りしめながら、ガタガタと震えてる。

「逃げちゃうと追い掛けたくなるよねー」
「大丈夫大丈夫、すぐ用事終わったら帰してあげる」「どこにすっかなー」
等と、口々に勝手な事を言う。

「帰して!!今すぐ!!」
怖いのに、思いの外大きな声が出た。

何で私が…こんなヤツらに…悔しくて涙が零れそうだ。
「何でこんな…」
「何でってゲームだよ。泣いて嫌がる女の子ってたまんないよ」