ある人は月を見て言う
あの頃は良かったと
その人にとって月は
古き良き時代の記憶と
つながっているのだろう
ある人は月を見て言う
少し悲しい気分になったと
その人にとって月は
悲しい出来事の記憶と
つがっているのだろう
ある人は月を見て言う
あの人のことを思い出すと
その人にとって月は
すてきな人の記憶と
つながっているのだろう
ある人は月を見て言う
なんてきれいな月でしょうと
その人はきっと
となりにいる人のことを
こころから愛しているのだろう
あかり
夏目漱石先生に捧ぐ