毎月課題の本からインスパイアされた題材をテーマに
エッセイを書く文章サロン「ふみサロ」に参加しています。
今月の課題本は、『猫鳴り』です。

以下、今月のエッセイです。

「私の名前はみかん」

私の名前はみかん。
くだものみたいな名前だけれど、ネコの女の子。
お母さんがつけてくれたんだ。

お母さんと最初に会ったのは、

お母さんがバイトを始めたペットショップで。
目が合った瞬間、
「この人のところにいきたい！」

って思った。
お母さんもおんなじこと思ってくれて、

バイト代の分割払いで私を買ってくれた。

お母さんはすごく優しい。
どこに行くにもお母さんと一緒。
運転しているお母さんの隣が私の指定席。
ドライブ、大好きだった。楽しかったな。

お母さんの仲間たちと一緒に山登りもしたよ。
とってもうれしくて、

はしゃいで登ってたけれど、

私からだ小さいから、すぐにバテちゃって。
すぐにお母さんの腕の中で休憩しちゃってた。
この時お母さんが

仲間と一緒にいる姿、初めて見た。
お母さん、すっごく楽しそうだった。
この仲間がいるから

お母さんはお母さんでいられるんだね。

お母さんと一緒に暮らして14年。
いよいよお別れの時がきちゃった。
生まれつき心臓が弱かったから、

お迎えが早くきちゃったみたい。
最期はお母さんの腕の中で…。

この間、お母さんが仲間に

私のことを話してくれていた。
「みかんが私の人生を変えた」って。

お母さんは今、

ペットの葬儀屋さんでお仕事している。
「後から『この子にありがとうって

たくさん伝えられた、よかった』

って思い返してもらいたい。
そんな時間になるような

お手伝いができればって思って、

いつも魂を使って立ち会わせてもらってる」って。

お金のためにバイトに行ったのに、

分割払いをしてまで私を迎えてくれた。
生活だって楽じゃなかったはずなのに、

通院費や薬代、いっぱい使わせちゃった。
私と会ったせいで、

お母さんを苦しめたんじゃないかって思ってたんだ。

私と一緒に過ごした日々があって、

今のお母さんがあるんだね。
お母さんと一緒の時を過ごせて、本当に幸せだった。
ありがとう、お母さん。
お空からずっとずっと

お母さんの活躍を見守っているからね。

（エッセイ、ここまで）

今月の課題本はねこのお話で、

「死」がテーマでした。
読んでて、胸が絞めつけられる

苦しい箇所がたくさんあって。
特に第2部はキツかった。
ネタバレになるからあっさり書くけど、

ほんとにこんな子もいて、

こんな家庭もあるんだろうな、って。
それ思うと、ほんと胸が苦しくなった

で、この本でなに書く？って思ったら、

もうみかんのことしか思い浮かばなくて。
ちょうど先日、

みかんのお母さんも含めた仲間で集まる機会があって。

⇒ 同期メンバーでの呑み会

その時に聴いた話も織り込みながら、

みかんの視点で書いてみようって思いつきました。
〝お母さん〟にブログに書いていいか聞いて、

少しエピソードももらいました。
あかん、自分で読んでて泣けてくるわ～

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