母方の祖父の話は、以前にも何回か書いた。
自分が小学生の時他界したので、温厚な性格で、いつも読書か書き物をしていた記憶くらいしかない。
母や叔母から聞いてきた話などから、推測しながら自分の中でイメージを築き上げてきた。
先日、母からハンカチに包まれた小さな箱を渡された。
何十年も包んできたと思われる白いハンカチはすでに変色していた。
おそらく、祖父のものだろう。
中から塗りの小箱が現れた。「勲四等瑞宝章」と書かれていた。
宮中で昭和天皇陛下より賜ったものだという。
祖父は語ることはなかった。いかにも祖父らしい。
箱の中には勲章が入っており、想像以上に格調高く見えた。
祖父の一面を垣間見たような・・・そんな気がした。