月村了衛『対決』です。
私の好きさレベル5段階評価の『4.5』です。
新聞記者 vs. 医大理事。
一歩もひかぬ、二人の女。
思いは同じ――後に続く女性のために。
だからこそ、互いの人生を懸けて激突する。
ある医大が入試の採点過程で女子の点数を意図的に下げている――衝撃的な「噂」を耳にした新聞記者の檜葉菊乃は独自の調査を始め、理事の神林晴海に目をつける。
巧みに追及を躱す神林だが、突破口はそこにしかないと考え、檜葉は何度となく攻め立てる。
男性優位の社会で、共に無数の理不尽に直面してきた二人。
それでも敵対せざるをえない彼女たちの闘いの行方は……。
『土漠の花』『香港警察東京分室』『半暮刻』話題作、問題作を絶えず放つ著者が挑む、社会にはびこる差別の根源。
女性一律減点問題。
リアルに存在してましたね。
今作を読んで、ただ単に<女性蔑視>だけじゃない問題点も考えさせられました。
新しく構築したシステムが、別の<問題>を引き起こす。
一方に<良かれ>がもう一方には<悪しかれ>に成る。
パワハラ・セクハラ・アカハラ・マタハラ・・・色んなハラスメントてんこ盛りな今作。
読んでてムカムカしますが、これが今の日本の現状なんですよね(-_-;)
表面で規制しても、根本が変わって無いから、無くならない。
今作を読んで思い出したのが、息子の育休。
処々の事情があり、1年間の休暇を取ってます。
GWに助っ人に行った時に、二人でお酒を飲みながら、その話に成った。
復帰後に会社で仕事をする時、多少の<遅れ>が生じるらしい。
息子は
「何が大事かって事。仕事は家族が幸せに生活していく上で必要なものであって、どんなデメリットがあっても、家族が大変な時に、仕事を優先する意味が分からん」
確かに・・・ですね!