梶よう子『雨露(うろ)』です。
私の好きさレベル5段階評価の『4』です。
ただ、江戸を守りたい。非力であろうと、臆病であろうと——。
二百六十年以上にわたる長き泰平の世で、江戸が初めて戦場になった日。
彰義隊は強大なる新政府軍に挑み、儚く散った。
名もなき彼らの葛藤と非業の運命を描く、号泣必至の傑作!
慶応四年。
鳥羽伏見の戦いで幕府軍を破った新政府軍が江戸に迫る。
多くの町人も交えて結成された彰義隊は上野寛永寺に立て篭もるが、わずか半日で最新兵器を駆使する官軍に敗北——。
なぜ、名もなき彼らは、無謀な戦いの場に身を投じたのか。
臆病者の旗本次男・小山勝美ら、若き彰義隊隊士の葛藤と非業の運命を情感豊かな筆致で描き出す、号泣必至の傑作!
私の中で<彰義隊>って存在、薄かった(失礼!)んですよね・・・
幕末に五稜郭まで引いて戦ったって知識しかなく。
上野寛永寺の攻防。
壮絶でした。
<そこ>に至るまでの経過。
時代に流され、抗い・・・周りに引き摺られ、自ら選び取り・・・
今作で気に成った一節を
戦になんの利がある? 殺し合いの後に残るのは結局、憎しみではないのか? 悲しみではないのか? それでも戦を引き起こす者たちに利があるならば未来永劫、争いは絶えぬ。
如何でしょうか?!?!