アウト・オン・ア・リム
それは記念すべき夜かも知れない。
カフェで手にしていたのは
シャーリーマクレーン著「アウト・オン・ア・リム」
「きっと今、あかねさんは
この本の中のシャーリーマクレーンと同じような時期を
過ごしているのかも知れないですね。」
今年に入って不思議な巡り合わせで出会った人に
勧められた本だ。
もう何ヶ月も前から持ち歩いて読んでいるのだが、
奇妙なことにある章を境に読み進めることが出来ずにいた。
続きを何度読もうとしても邪魔が入り
本から顔を上げなければならなかった。
旅先でゆっくり読もうとカバンに入れたはずが、ない。
もうこれは一度や二度ではない。
確実に毎回、自宅に忘れた。
そして休日に部屋で読もうとすると
何故かこつ然と消えるのだ。
あれ?なくしちゃったかなと思い
しばらく忘れていると
ひょんなタイミングでふと見つかる。
いちばん読みたいのに
どうしてかなかなか読了させてもらえない、不思議な一冊だった。

でもその日は、何が何でも読むしかないという状況が整った。
まるでこの本に意志でもあるかのように。
本当は、スポーツクラブへ行くつもりで自宅を出たはずだった。
しかし外に出ると
スポーツクラブとは反対方向に歩き出してしまった。
何となくカフェに入った。
そして席に着いた途端、激しい雨が降り始めた。
偶然、カバンに入っていたのは例の読みかけの本。
「仕方ない、しばらく本を読んで待ちますか」
雨はすぐに止むだろうと思っていたのだが
何度顔を上げても、一向にその気配はなかった。
ああ、今日は読み終わるまで止まないんだな。。。
直感でそう思った。
スポーツクラブに行くのを諦め、ひたすらページを読み進めた。
ザワザワといろんな人の話し声がしているはずなのに、
水の底にいるように聴覚が緩やかに遮断され
時間の感覚が消えて行った。
一気に読み終わると、雨足がうそみたいに弱まった。
小雨の中、小走りで自宅まで走り抜けた。
息が苦しかったけれど、走っていたかった。
本の中の数々のシンクロニシティに驚愕していた。
ここ最近ちょっと感じたことがないくらいの衝撃に
身体の震えが止まらず、
カフェで必死に我慢していた涙がとめどなく流れた。
数年前に読んでも、同じように感じただろうか?
私は、明け方まで眠れなかった。

アウト・オン・ア・リム
カフェで手にしていたのは
シャーリーマクレーン著「アウト・オン・ア・リム」
「きっと今、あかねさんは
この本の中のシャーリーマクレーンと同じような時期を
過ごしているのかも知れないですね。」
今年に入って不思議な巡り合わせで出会った人に
勧められた本だ。
もう何ヶ月も前から持ち歩いて読んでいるのだが、
奇妙なことにある章を境に読み進めることが出来ずにいた。
続きを何度読もうとしても邪魔が入り
本から顔を上げなければならなかった。
旅先でゆっくり読もうとカバンに入れたはずが、ない。
もうこれは一度や二度ではない。
確実に毎回、自宅に忘れた。
そして休日に部屋で読もうとすると
何故かこつ然と消えるのだ。
あれ?なくしちゃったかなと思い
しばらく忘れていると
ひょんなタイミングでふと見つかる。
いちばん読みたいのに
どうしてかなかなか読了させてもらえない、不思議な一冊だった。

でもその日は、何が何でも読むしかないという状況が整った。
まるでこの本に意志でもあるかのように。
本当は、スポーツクラブへ行くつもりで自宅を出たはずだった。
しかし外に出ると
スポーツクラブとは反対方向に歩き出してしまった。
何となくカフェに入った。
そして席に着いた途端、激しい雨が降り始めた。
偶然、カバンに入っていたのは例の読みかけの本。
「仕方ない、しばらく本を読んで待ちますか」
雨はすぐに止むだろうと思っていたのだが
何度顔を上げても、一向にその気配はなかった。
ああ、今日は読み終わるまで止まないんだな。。。
直感でそう思った。
スポーツクラブに行くのを諦め、ひたすらページを読み進めた。
ザワザワといろんな人の話し声がしているはずなのに、
水の底にいるように聴覚が緩やかに遮断され
時間の感覚が消えて行った。
一気に読み終わると、雨足がうそみたいに弱まった。
小雨の中、小走りで自宅まで走り抜けた。
息が苦しかったけれど、走っていたかった。
本の中の数々のシンクロニシティに驚愕していた。
ここ最近ちょっと感じたことがないくらいの衝撃に
身体の震えが止まらず、
カフェで必死に我慢していた涙がとめどなく流れた。
数年前に読んでも、同じように感じただろうか?
私は、明け方まで眠れなかった。

アウト・オン・ア・リム