第12回 世界バレエフェスティバル Bプロ-第三部- | 日々のカンゲ記 ふろむパリ→トーキョー

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日々の感激と観劇のきろく。パリ生活のこと。

「海賊」
振付:マリウス・プティパ
音楽:リッカルド・ドリゴ
ナターリヤ・オシポワ/レオニード・サラファーノフ

超絶技巧コンビだが、こちらの方が品があってよかった。
オシポワはガムザッティのva。
ピケを全部ダブルで周りつづけていた。
二人でグランジュッテしても、サラファーノフと空中滞空時間がそれほど変わらないのもすごい。
サラファーノフも、ジャンプも高いし、アラベスクの隅々まで伸びていて美しい。

「ル・パルク」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ
音楽:ヴォルフガング・A.モーツァルト
ディアナ・ヴィシニョーワ/ウラジーミル・マラーホフ

すごかった!
ヴィシニョーワ、キワキワの所まで行く表現力、完全に乗り移っていた。
マラーホフとヴィシの世界の中にどっぷり連れていかれた。
ここまでの表現力と圧倒的なテクニックを両立しているダンサーはやはりすごい。
これはヴィシにしかできないなー。
マラーホフのサポートもさすが!
すごく疲れそうなサポート。
キスしながらグルングルン回っている所はほぼ口を支点にして支えてるの?

完全にのり写っているヴィシは、幕の間から出てきてルベランスする時も、フラフラで
ぼんやりしていて、今にも倒れそうだった。そそてそれを優しく支えるマラーホフ。
この二人にしかできない踊りってあるし、もっともっと観たい。


「ブレルとバルバラ」
振付:モーリス・ベジャール
音楽:ジャック・ブレル、バルバラ
エリザベット・ロス/ジル・ロマン

ベジャールバレエの二人の踊るベジャール作品は流石。
ジルは相変わらずかっこよく、年を感じさせない。
エリザベットロスも圧倒的な存在感。
最後は白装束のような白い着物を羽織って後ろ向きで終わる。
この作品の背景がどのようなものかがわからないけれど、日本を題材にした作品なのかな?


エスメラルダ」
振付:マリウス・プティパ
音楽:チェーザレ・プーニ
タマラ・ロホ/フェデリコ・ボネッリ

タマラの持ち味がすごく出ていて、エスメラルダはピッタリだと思う。
タマラのエキゾチックな顔立ちや、踊り方はエスメに合っている。かわいかった。

テクニックも素晴らしく、アティチュードバランスを20秒くらい止まり、それを何回もやっていて
また会場から声が漏れる。
10秒くらいの所でボネッリが「もうつかまる?」って手を差し伸べるんだけど、
タマラは「まだいけるわ」って感じで永遠につづくかのようなバランス。
そんな場面が何度もあって微笑ましいパートナーシップを感じた。

ピルエットも5回くらい回っていたし、フェッテも4~5回転入れたり、トリプル~ダブルは余裕。
その上、方向も変えている(1と1/4ずつ回る)のだから本当にすごい。
それを何事もないようにやってのけて、表情もかわいいのだから、タマラって本当にすごいバレリーナなんだな、と改めて思った。


「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリア・アイシュヴァルト/フィリップ・バランキエヴィッチ

円熟ダンサーの情熱的なPDDがとてもよかった。
やはりこの演目は人生経験豊富なベテランでなければ踊れない、微妙な心の動きを表現できるのって
本当にすごいと思う。


「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ
音楽:レオン・ミンクス
スヴェトラーナ・ザハロワ/アンドレイ・ウヴァーロフ

ザハーロワもウヴァーロフもAプロに比べて調子がよさそうだったのでほっとした。
ザハーロワのキトリはかわいらしい感じ。
さすがのロシアのスター同士、とっても華やかでオーラがあってトリを飾るにふさわしい流石の貫禄だった。


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Bプロの方が圧倒的に面白かった!
やはり一番印象的だったのはシムキンだが、第二部のコンテ祭りもよかった。
普段来日や客演しても幕物しか観る機会のないスターも、
こうしたガラ公演だと、いつもと違う顔を見せてくれるのが新鮮で楽しい。
幸せ。