第12回 世界バレエフェスティバル Aプロ-第一部- | 日々のカンゲ記 ふろむパリ→トーキョー

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日々の感激と観劇のきろく。パリ生活のこと。

@東京文化会館
指揮:ワレリー・オブジャニコフ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:高岸浩子



日々のカンゲ記-バレエフェス



■第一部

チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ
Tchaikovsky Pas de deux

振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー

マリア・コチェトワ/ダニール・シムキン
Maria Kochetkova (San Fransisco Ballet) & Daniil Simkin (American Ballet Theatre)


トップバッターは若手の元気で爽やかなコンビ。
チャイコフスキーP.D.Dは、小柄で元気な若者が踊るのがよく似合う。
クラシックのメソッドを丁寧に確実に踊り、見ていて気持ちがいい。
コチェトワのポワントワークがすばらしい。
ドゥミの使い方、そして音が全然しない!

「くるみ割り人形」より "ピクニック・パ・ド・ドゥ
"Nutcracker Picnic pas de deux
   
振付:グレアム・マーフィー
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー

ルシンダ・ダン/ロバート・カラン
Lucinda Dunn & Robert Curran (The Australian Ballet)


マーフィー版のくるみの一節。
葦笛の踊りの曲を使ってのPDD。
クララをぐるんぐるん回す雑疑団のようなリフトの連続の後、
ゴロゴロ~と雷が鳴り、ピクニック中の二人はピクニックシートを冠り
袖に逃げていく・・・・
正直ポカン・・だった。
オーストラリアバレエ団も観た事はないが、かなり面白いカンパニーであり、有名であることは知っていたし、マーフィ版のくるみも面白そうな評判を聞くのだが、なぜここだけを抜粋したのだろう?
リフトがすごかったのは認めるが、物語要素が強い作品の抜粋って、難しいと思う。
GPDDをやるのかと思ったので、男性と女性のバリエーションとコーダも入ってくるのかと思ったら、
PDDだけやってあっという間に終わりだった。
ここだけじゃわからん!。そして衣裳のせいなのか、ルシンダ・ダンの上半身の使い方が
何か堅くて、(常に肩が上がっちゃってるように見えた)何とも言えず。

「海賊」 Le Corsaire
振付:マリウス・プティパ
音楽:リッカルド・ドリゴ

マリアネラ・ヌニェス/ティアゴ・ソアレス
Marianela Nunez & Thiago Soares (The Royal Ballet)


マリアネラ、すごかった!
ピルエット、6~7回は回っていたんじゃなかろうか?
あんなことってできるの?思わず「すげー!」と声が出てしまった。
そしてテクニックがすごいだけで全面に出しているだけでなく、表現力も品もあり、
本当に華やかで素敵だった。
ソアレスも引き締まった筋肉で、アリの衣裳がとても似合っていたけど、
なにしろマリアネラがすごくて、あまり印象に残らなかったかも・・・

「エラ・エス・アグア ‐ She is Water」ELLA ES AGUA
振付:ゴヨ・モンテロ
音楽:コミタス、クロノス・カルテット

タマラ・ロホ Tamara Rojo (The Royal Ballet)

タマラのコンテって何気に初めてみたかも。
舞台下手側に肌色の全身タイツのタマラが横たわりながら、蜘蛛のような動きをしている所から
始まる。ピンスポットが当てられ、水面のような光の中で泳ぐように踊るタマラ。

上手側に移動し、上から下りてくる衣裳をスルリと着る。
(ちょっと手間取っていて、何か少しヒヤヒヤしたかもw)
最後また水面の上に戻り、スカートをすっぽり冠っておびえたような表情でうずくまる。

タマラのテクニックや存在感、表現力はさすがだと思うが、これだけでは正直よく解らなかった。
彼女自身、小柄だがテクニックも独特のオーラも持っているし、
オリエンタルで不思議な美しさの顔立ちなので、今後、こういうコンテやモダン等を
踊ったらすごく似合いそうだと思った。こういう作品はガラ公演の醍醐味かな。


「くるみ割り人形」The Nutcracker
振付:レフ・イワーノフ
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー

ヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナ
Iana Salenko (Berlin State Opera Ballet) & Zdenek Konvalina (National Ballet of Canada)


ヤーナ・サレンコ、前回のガラでドンキを踊ったのを観て、魅了されたバレリーナだったな。
小柄ながらテクニックが正確で、まっすぐ伸びた足にピルエットの正確さ、ジャンプのキレ等
すばらしい。演目的にはドンキの方が合っているのかもしれない。


「コッペリア」 Coppelia
振付:アルテュール・サン=レオン
音楽:レオ・ドリーブ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー
Alina Cojocaru & Johan Kobborg (The Royal Ballet)


コジョカル・・・・か、かわええ!
キュートという言葉は彼女の為にあるのではないかという程、本当にかわいくて、
キラキラしていて、恋する乙女のオーラをまき散らしまくっていた。
ヨハンコポーもさすがのテクニックと跳躍、息もぴったり。
ラブラブオーラ全開で、コジョカルの踊りを観るといつも本当に幸せな気持ちになる。
そして何気にすごいテクニシャンなんだと思った。
アラベスクで何秒もの間バランスしたただけでも、思わず感嘆ものなのに、
立ったままアティチュードから腕をアンオーにしつつ、アラベスクにするという技を何度もやっていた。
サポートなしで。何気にものすごい技をこともなげにやるから、そのすごさに
気づかない所だったが、どう考えても私にはできない・・・・