巨大なNATOと侮れない日本
ロシアとウクライナが紛糾した原因の一因はNATO(北大西洋条約機構)にウクライナが加盟したい、ロシアは困ると言う事だったようです。NATOはよくご存じないかもしれませんが、れっきとした軍事同盟です。第二次世界大戦後に東西冷戦の相互防衛のために、NATOはワルシャワ条約機構と並んで設立されています。NATOは青色プラスカナダ、アメリカ合衆国です。1989のベルリン壁崩壊までは、NATO(青16カ国)は625万人、内地上軍は324万人、総動員兵力は1600万人。加えてMBT(主力戦車)約3万3800台、作戦機(戦闘機、爆撃機、攻撃機)1万500機を保有。ソ連を盟主とするワルシャワ条約機構(赤7国、1991年解散)は、正規軍約502万人、内地上兵力221万人で総動員兵力1345万人、MBT7万8600台、作戦機1万機と拮抗。これが戦力にも抑止力にもなっていました。またプラハの春などを弾圧するときも使われました。その後、東欧がEUに参加するに従い、NATOがどんどん拡大します。その結果、もとワルシャワ条約機構に属していた国も参加しています。その結果、NATOは30国に達し世界の軍事費の70%以上を占める巨大軍事同盟になっています。また、参加国は各国のGDPの2%以上という巨大な軍事費を投入する努力目標を負います。このNATOは領域内の軍事紛争の解決にもあたりますが、この地図を見ても明らかなようにあるいは、もともとの対ソ連ブロック同盟という性格からしても対ロシア軍事同盟にも見えます。ウクライナは1989年以降経済悪化に伴い、1/10程度の軍しか維持できなくなり西側に接近し、NATO加盟を望みます。しかし、ウクライナが対ロシアの可能性もある軍事同盟に参加したいというのでは、ロシアはナイーブになりえます。軍事同盟というのは強い関係です。現に、NATO首脳は、ウクライナを見捨てないという発言をしているようです。決してロシアを弁護するわけではありませんし、ロシア軍は即刻撤退してほしいと願っています。それとは別に強すぎるNATOはあまりいい結果をもたらさない気はします。すでにNATO軍は巨大組織になりすぎていると感じます。軍事同盟に参加するから平和になるということではありませんから。一方西欧諸国はNATO軍が強くなった分、各国軍の軍縮が進み日本の軍事力は世界でも5,6位(地上軍、作戦機、戦車、空母数から判定)に上昇しています。国連やEUとかが中心のほうが、いい気がするよね。