去年・運慶展に行った備忘録です☆

 

今回の展覧会は3章に分けらていました。

どれも見どころばっかりで少ない章でありながらも内容の濃い展覧会でした

 

第2章 運慶の彫刻

南都の寺院の復興をすすめるなか

幕府が鎌倉に開かれ

東国は寺院の創建ラッシュ

南都復興と並行し、新興の東国武士の造像を請け負うことになりました

1186年北条時政の注文を応じて仏像をつくりました

運慶にとっては東国での仕事はチャンスであり

運慶の生涯の中で重要な時代となりました

伝統に縛られず、個性を発揮し

力強い肉体をつくられた仏像は東国武士に人気となり

注文殺到されるほど人気になりました

この章では運慶の作品が大放出です!!
 

鎌倉幕府と運慶

国宝 願成就院・毘沙門天

 

※伊豆の国市HPより

北条時政(北条政子の父)の氏寺・願成就院には運慶が作った仏像が5躯あるそうです

2013年に国宝になったばかりの仏様です

 

 

北条時政が、娘婿の源頼朝の奥州平泉討伐の戦勝祈願のため建立したという。

ただし、寺に残る運慶作の諸仏はその3年前)から造り始められており

奥州征伐の戦勝祈願のためというよりは、北条氏の氏寺として創建されたものだとか

胎内に納められていた運慶の名のある塔婆形名札も展示されていました

 

今回は一体だけのスペシャルステージでの展示

邪気の苦しそうな表現 静かな威厳でその上を立つ武将とのギャップがなかなか良かったです

 

門外不出!いざ東博へ

浄楽寺・阿弥陀如来坐像および両脇侍立像

不動明王立像・毘沙門天立像

 

 

※絵葉書より

 

ここにも運慶作の仏様が5躯!!フルセットで展覧会できてました

お寺はさぞかしさみしいやろうに・・・

長らく「門外不出」を貫いてきたが

5体を安置する収蔵庫の耐震補強が必要となり、特別展での公開に踏み切ったそうです

 

願成就院で東国デビューをし、3年後

和田義盛とその妻の発願により運慶が造像したもので、慶派のしては玉眼を用いていないのが珍しい仏さまです

涙をたたえた玉眼が悟りを至った仏様にはむいていないということだそうです

30代後半運慶の作

 

私が目に奪われたのは不動明王

やっぱり好き・・・

 

阿弥陀仏を中心にする尊仏に毘沙門天と不動明王の組み合わせは珍しいそうです

光の具合だと思いますがこの2体には玉眼が入っていまして

目がウルウル 

その影響で厳しいお顔で知られる不動産のお顔がすごく優しくって

見ていて心が浄化されるかのように感じました

 

運慶の仏様はどうしても筋肉隆々、男前=厳しいお顔と思っちゃうところがあるんですが

顔が優しいんですよね

厳しい中のやさしさ

そりゃ、東国武士が好きになりますよ!!

 

手元に置きたい童子たち

高野山金剛峯寺・八大童子立像

※運慶展パンフレットより

 

八大童子のうち六体が運慶作

何年か前の「高野山のすべて」展以来

さすが東博の展示方法はすばらしかった

360度見れるように

一つ一つガラスケースに収められて

それぞれの童子の表情に合わせてライトアップに工夫されていました

人が少ないタイミングに訪れたのでひとつひとつなめるように

見ることができ感動☆

 

やはりポスターに乗っていた彼が一番かしら?

 

これらの像を経典にかかれている

それぞれの性格に則って正しく配置すると、体の向きや視線がすべて

本尊である不動明王像を礼拝する行者に向けられるようになっているのだそうです

 

父か!息子か!真実は四天王に聞け!

興福寺・四天王立像

 

※運慶展HPより

 

この四天王立像は興福寺南円堂にあるもので

本尊は父・康慶の代表作・不空羂索観音が有名です(今回は展示なし)

 

西国札所のご本尊で有名です

最近の研究ではこの仏さまは

北円堂にあったものとされ

運慶がてがけたのではないかとされています

今回の展示にあたり

X線写真などを撮り

そうである確定できる材料をさがしているそうです。。

南円堂から今秋、新しくできる中金堂に引っ越し

しばらくお披露目ということでお堂が解放されると思うので

頻繁にみられるようになるのでしょうか?

 

ダイナミックな動き体勢とにぎやかな宋風冑

湛慶というより運慶?なのか

 

 

ビックブラザー

興福寺・北円堂 無著菩薩立像・世親菩薩立像

※運慶展HPより

4世紀のガンダーラ(現在のパキスタン)で活動した兄弟の唯識学者で

法相宗寺院である興福寺では祖師として尊ばれている二人で興福寺の北円堂に弥勒菩薩とともに祀られています

 

二人は中国人で運慶が生きていた時代とは全く違う時代の人なのに

知り合い?というばかりに

兄の穏やかなつぶらな瞳や

弟の表情に表れる力強い意志からみられる

彼らの性格が顔や身体に切り刻まれており

こめかみや手の甲に浮き出す血管のリアルさ
今にも動く出しそうな表現に絶句

運慶1人がやったことではなく慶派の十人の仏師を束ねてつくられたとか。

 

今回四天王との無著菩薩立像・世親菩薩立像が本来の北円堂に置かれていたことを想定しての展示になっていました

めったに入れない北円堂に足を踏み入れたかのような空間イメージ

意外と無著菩薩立像・世親菩薩立像が高く

見下ろされている感じがします

優しいじいじとちょい厳しめのじいじに囲まれておじいちゃんこの私もうれしい?

 

レポートまだまだつづく!!!