“ハレ”の日、笑顔の真中に「土用餅」 | 四国・徳島の和菓子店「茜庵」の日々のつれづれ。『庵日記(いおりにっき)』

“ハレ”の日、笑顔の真中に「土用餅」

容赦なく照りつける太陽、


ドライヤーの熱風のような風、


地面からムシムシと立ち上る熱気。


本当に、


「過酷」としか云い様のないここ数日の

灼熱の暑さでした。


夏本番、といえば8月を思い浮かべるのですが

梅雨明けの7月終わりの暑さが、

やはり体には一番こたえるようです。



繊細に移り変わる日本の四季。

それ自体はすばらしいものですが

裏を返せば、絶えず細かな変化がわたしたちの

体調にも起こっているということ。


体と心をうまくコントロールしながら

移りゆく季節と上手に付き合えたら

憂鬱な雨も、うんざりする暑さも、

少しだけ 楽しみな気持ちで

過ごすことが出来そうです。


そんな ささやかな「生活の知恵」

昔から、私たち日本人の日々に根付いていました。


“土用の丑の日”

といえば、ウナギ屋が大繁盛・・・

日本人ならだれもが知るこの定説は

江戸時代、

「土用の丑の日に“う”のつくものを食べると

暑さ負けしない」という

民間伝承が、

夏の売り上げ不振に悩むウナギ屋のキャッチ・コピーとなり

大当たりしたことが現在までつながっていると

言われています。


体力・気力ともに消耗するこの時期に

栄養満点のウナギを食すことは

まさに理にかなっていました。

一過性のはやりでなく、長く伝えられてきた背景には

そんな理由もあると考えられています。


さて、「土用餅」


庵日記-doyomoti


おはぎのような、どこか昔懐かしい

素朴なあんころ餅です。


金沢や、関西を中心に

土用の丑の日にこの

「土用餅」をいただく習慣が

やはり、古くから伝わっています。


甘くて栄養たっぷりのお菓子がいただけるのは、

当時なら、まさに「ハレ」の日の出来事でした。


長く厳しい夏を無事乗り越えられるよう、

願いをこめて

家族みんなでおもちをほおばることは

祈りと同時に、心浮き立つ楽しい行事だったに

違いありません。


大人も子どもも皆が笑顔になる・・・


そんな「ハレ」の日のまん中に

おいしいお菓子がある。


楽しいから、続けられてきた。

美味しいから、楽しみだった。


堅苦しかったり古くさかったりするものでなく

年中行事には、そんな側面があるように思うのです。


気軽に、素直に

現代の私たちの日常にも、

ご先祖の知恵・・・年中行事を取り入れたい。


茜庵の「土用餅」

こしあん・つぶあん・白あんの三種の餡を

今年も、ご用意いたしました。


明日、7月26日は、土用の丑の日。


どうかご家族の笑顔の、まん中に。


食卓にぜひ加えていただきたい、

願いをこめた一品です。


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