岡田芳子/舟谷真美

『50+30パーキンソン病の謎』

(アルタ出版、2024.04)

を読みました。


発症から50年の方と、診断から30年の方がそれぞれ手記を書かれています。


パーキンソン病の終末期または晩期と言われる時期にあるお二方ですが、病状も症状も経緯も異なり、本当に、パーキンソン病は謎が多いなと感じました。


何かを頑張ったからといって、予後が変わるという保証はないこと。どのように病が進行していくかは個人差があり、予見できない。

残念ながら、わたしはそう感じました。


お一人には「50年経ってもこんなにいろいろなことができるのか!」という希望を抱き、もうお一人には、読み進めるのが辛いほど壮絶な闘病と、生への強い欲求に驚き、わたしにはそこまでできないという戸惑いと…。


お二方が共通して仰るのは、医師は理解してくれない、人とも比べられない、自分のことは自分で模索して決めなければならないということ。


内服も運動もリハビリも人それぞれ、そして、限界があることもまた認めざるを得ない。


何をどうしたら良いのか、正解はない。

例えば運動、ムクナ豆、薬の飲み方…"賛否両論"ではなく、"その人それぞれ"なのだということ。


だからこそ、そこには「本気で取り組めるか」「本当に継続できるか」が必要だと。



わたしは癌患者であり、癌で亡くなった友人もいるし、闘病中の友人もいます。


癌の治療はよく知られているように、とてもキツいものです。

寛解を目指せない場合、治療をやめてしまう人もいるし、医師から治療中止を打診されることもあります。


いろいろな選択を見てきました。

そこにあるのは、その人の生き様です。どうしたいのかは自分で決めないとならない。


頑張りたい人は頑張ればいいし、頑張りたくない人は頑張らなくていい。

どう生き、どう人生を終えるのかは、その人が決めること。


パーキンソン病は寿命に影響はないと言われますが、10年20年となると、目を背けたくなるような辛いことがあるのは事実です。


また、からだを自由に動かせることにもタイムリミットがあります。


どう生きるか、どう生きたいかが問われます。



わたしはどう生きたいのか。

そんなことを考えました。


そして、伴走してもらう主治医は名医でなくても良いと思いました。決めるのは自分だから、専門家は知識と経験と優しさがあれば良い。




この本を読もうかなと思われた方へ。

辛いことが書かれています。いつ知るのかはその人それぞれなので、素晴らしい著書ですが、良くお考えになり手に取ってください。


病初期のわたしは涙が止まらず。

衝撃と、切なさと。

でも、読んで良かったです。