今日は演奏会に行ってきました。
月に一度のお楽しみなので、前夜はサイレースを服薬…が、2時間しか眠れず、体調絶不調。
朦朧としながら赤坂まで行って、いつものお店でランチ。
今日は、イワシの燻製と柑橘系フルーツをあえたサラダとパン、そして白ワイン。
サラダは3種類ぜんぶ制覇。これがいちばん美味しかった。
テラス席で一人のんびり優雅に。
幸せ。
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日本フィルハーモニー交響楽団
第405回 名曲コンサート
ベートーヴェン
ピアノ協奏曲第5番《皇帝》
交響曲第6番《田園》
指揮 小林研一郎
ピアノ エリソ・ヴィルサラード
サントリーホール
2024.06.16
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満席でした。日フィルでここまでお客さん入ってるのなかなか見ない。
さすがコバケン。
P席取りたかったんですが、ダメですね。熱狂的なファンが押しかけています。
開演前に不穏な事態発生。1階席で男性がレセプショニストに怒鳴ってる。
どっちが悪いのか知らないけど、2階席から「そうだ!」とヤジが飛んでて。
え?なんの同盟??
第一部のP協。
エリソさん、素晴らしい。ロシアロマンチシズムな表現ですね。ベートーヴェンの皇帝をこんなふうに弾いちゃうのかと言葉を失う。なんか違う曲みたい。
この年齢になると(80代)、なんとも言えない優しくて暖かくて穏やかな表現になりますね。
同じ年齢でもアルゲリッチさんはいつまでも無邪気ですが
音も十分出ていました。Pコンでもしっかり対位法。気持ち良い。合奏の楽しさ。
コバケンさんもお歳なので良い感じですね〜。
ソリストアンコールは何かなと楽しみにしてましたが、アンコールなし。がっかり。仕方ないか、体力的に難しいのでしょう。
と、ここで怒っていたおじさんが大人しかったことに気が付く。良かった。
第二部
コバケンさんの指揮はNHKで見たことありますが、熱狂的なファンが多い理由がわかりました。
まず、独特な指揮。
メインパートやソロパートの入りの前にぺこりとお辞儀をします。お願いしますというように。
ほとんど動きはないタイプですが、全パートffのときはウサインボルトみたいになります。
とか、いろいろ、つまり分かりやすい。
P席から売れちゃうの分かります。
わたしが好きな鈴木優人さんは非常に美しい指揮をしますが(太極拳に見える)
コバケンのそれはクセになるんですね。
それは表現にも通じることで、独特な緩急強弱の付け方がクセになります。田園ってこんな激しかったっけ?と。
今どこのパートが主題を演奏してるのか、たぶん見なくても分かっちゃう。
それを二階席から、「あ、ここって実はバスだけじゃなくて裏でチェロも弾いてたんだ!」的な発見が多くて面白いのです。
これぞベートーヴェン。
わたしはPコンだけ聞いてあとはカノン的にぼーっと聴いてようか、もう帰ろうかと思ってましたが、いやいやもう、これは。
日フィルもいつもより素晴らしかったです。指揮者次第で変わります。わたしも経験ありますが、ほんとに指揮者というのはすごい。魔法使いです。
海外オケが演奏する田園で風景が見えたことなんてないんですが、今日はしっかり。
風景というか…ベートーヴェンへへのRequiem に感じました。
拍手喝采ブラボーコール、P席では横断幕みたいなのを掲げてる人もいて、会場の興奮と熱気がすごい。
みんな寝ないで真剣に聴いてました。
(あまり見ない光景)
カーテンコール3回目でコバケンさんのご挨拶。
「お客様のパワーのおかげで…」
何度も何度も頭を下げ、下手にはけたあともステージの隅で頭を下げて。
このお人柄。
アンコールは、コバケンの十八番「ダニー・ボーイ」。
もうね、低音から入るのずるいですよ。
涙腺崩壊。鼻水決壊。
(ライブのピッチはかなり低めです)
帰りの電車の中でも思い出し泣きしそうで。夕飯食べながらまた泣いて。
こういうのを芸術というんですね、心が震える。
わたしには「また聞きたいな」と思う音楽家はいないんですが、小林研一郎さんは追っかけたくなります。
ピアノ。また弾きたいな。