福山雅治さんが観たくて、『三度目の殺人』を鑑賞。


是枝監督の作品で、日本アカデミー最優秀作品賞はじめ6つの賞を総なめしたすごい作品なんですね。

あまり映画を観ないので知りませんでした。



ある殺人事件をめぐる、容疑者(別所哲也)と弁護士(福山雅治)、その周りの人間を巻き込む心理サスペンスです。


けっきょく犯人は誰なのか、真相は何なのか、わからないまま終わりますが、別所さんの演技が怖くて。

人を殺した人の目だなと。

そんなもの見たことないですが、そう思わせるお芝居でした。


作品の中で「器」という言葉がキーワードとして出てきますが、まさに「からっぽの器」のような人間を見事に演じていました。

言葉を失います。


福山雅治さん、はじめはガリレオの湯川教授でしたが、だんだんと別所さんに共鳴するように、迷路に迷い込んだ弁護士になっていきます。

順撮りなので変化がよくわかります。


ショックだったのは司法の現場の現実。

予定調和的に進められていく裁判。

裁判官も検察も弁護士も。

次の裁判あるから、数こなさないと…

阿吽の呼吸で帳尻合わせ。真実の追及とか罪に向き合うとか、そんなのどこに?

それでも死刑制度がある日本では、合法的に殺人が行なわれる。


わたし、高校生のときから弁護士を目指していたので、本当にショックでした。


これ、医療の現場でも同じですね、多かれ少なかれ。


娘は医学生ですが、早くから「患者一人◯分で診ろ」と訓練されるそうです。

限られた時間の中で的確かつ適切な医療を、と言うことなんでしょうが…


真相は明らかにされないままになっている作品なので、考察や解説がネット上にたくさんあります。

でも、そういう感じじゃない。

自分の中でじんわり感じて、熟考し、わからないままにしておきたい作品でした。



こんなの観たから悪夢をみたのかも💦