一年前に、恩田陸『蜜蜂と遠雷』を読んで舌を巻きました。
ピアノコンクールを舞台に未来のピアニストたちの成長を描く物語ですが、音を言葉で表現する、その表現力に圧倒されたのです。
この作品は映像化するのは無理だろうと思っていたところ、映画化されていると知りびっくりしたものです。
音を言葉で表現する。
その表現を、音にする。
なんともアクロバティックな試みで、挑戦した監督さんに敬服。
でも、やっぱりがっかりするのが嫌で映画のほうは観なかったのですが…
Amazonプライムで上がっていたので雨の日に鑑賞しました。
ストーリーは、これは原作を読んでないと分からないですね。
恩田陸さんの緻密な物語構成、2時間の映像で収まりきらないのは仕方ないです。
前半は、原作読んでないと退屈かも。何言ってんのかわからない。
後半は、名作の盛り上がりどころをたっぷり聴くことができるのでクラシックファンには楽しいです。
プロコ3番、もっと聴いていたかったな〜。
原作の世界観はよく映像化されていたと思います。
例えばホールの壁とか、栄伝亜夜のドレス、砂浜の風景…原作を読んで頭の中に浮かんだ世界でした、わたしは。
キャストも良かったですね。
風間塵役、よくぞ見つけてきたなと。
吹き替えのピアノ、オケ演奏も注目されていた通り、素晴らしいものでした。
映画はこれまた独自の世界観を構築し、いつまでもそこにいたいような心地良いものでした。
幸せ。
さっそくサントリーホールのサイトから、4月、5月のチケット購入。
期限付きの体になってしまったから、一人でもどんどん行かなくては。