『描かないマンガ家』 最終回まで読んだ感想 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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『描かないマンガ家』 最終回まで読んだ感想

えりちん作『描かないマンガ家』は、
漫画家を目指しているものの、1作も作品どころかネームすら完成した試しがなく、根拠のない自信ばかりが滑稽で笑いを誘う
一人の手の施しようのない勘違い人間の気付きと再生までの成長物語です。

ドラマ化する場合は、主人公のペンネーム器根田刃こと渡部勇大の役には松山ケンイチを推薦したいと思います。

若い頃は、誰もみんな世間知らずで「やれそうな気がする」というだけで、
根拠もなく自信過剰になるなんて事は、多かれ少なかれ、よくある事なのかもしれません。

「けれど、やれそな気がしてようが、してまいが、実際にやってみない事には、結果は何一つ見えてこない」
この当たり前の事が自覚出来ずに、ただただ大口を叩いて、怠けてばかりで努力をしない…この漫画の主人公、渡部勇大は、
そういう青年でした。

主人公以外の作中人物のみならず、
読者もみんな「この馬鹿に付ける薬はないな」と、何度も何度も繰り返し思わされます。

誇大妄想狂とでも言うのか?
漫画を全然描かないのに、気分は既に一流漫画家そのもので、
心の中でそう思っているだけならまだしも、
いちいちそれを、周囲の既に漫画家デビューしている仲間や、チャンスを掴みつつある仲間にまで、
ひけらかしてしまいます。
そしてまた世間一般の皆さまにも、
器根田刃のブログに、漫画への情熱や妄想スケジュールまで書いてお披露目してしまうものだから、
その姿が何とも滑稽なのですよ。

20代後半になっても自立も自活もする事が出来ず
「全く将来への展望も活路も見いだせず、いったい、どうなってしまうんだろう…この主人公」と、
心配な気持ちが物語を読み続けさせるのです。

野垂れ死になのか、ホームレスにでもなるのか?
どんな結末を迎えるのかが大変、気になっていましたが、
最終話まで読んで、
一人のどうしようもない人間の崩壊と目覚めと再生の素晴らしい物語となっている事を知り、
大変深く感動しました。

みなさんも読んでみて下さい。
これほど人間観察の鋭い漫画はなかなかありません。

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