2週間ほど前にNHKプレミアムシアターで放映された、ドニゼッティの歌劇 愛の妙薬を観ました。
アディーナ:ミア・パーソン
ネモリーノ:ロランド・ビリャソン
ベルコーレ:ロマン・トレケル
ドゥルカマーラ:イルデブランド・ダルカンジェロ
ジャンネッタ:レグラ・ミューレマン
<合 唱>
バルタザール・ノイマン合唱団
<管弦楽>
バルタザール・ノイマン合奏団
<指 揮>
パブロ・ヘラス・カサド
<演 出>
ロランド・ビリャソン
収録:2012年5月~6月
バーデン・バーデン歌劇場
先日観たMETライヴビューイングの愛の妙薬、アンジェラ・ゲオルギューがアディーナを演じた愛の妙薬↓これ
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と比較すると・・・・・・今回のは、まったく好きになれませんでした・・・・・。
ネモリーノ役のロランド・ビリャソンは、
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↑のプッチーニの歌劇ラ・ボエームで歌っていた人。
(これはオペラ映画なのでレンタルもあります)
今回のポイントは、そのロランド・ビリャソンが演出も担当していたということ。
これがまあ、今まで観たオペラで最悪の演出としか思えなかったです・・・・・。
ぼろくそに言われているか、「非の打ちどころもない」と言われているか、
どのどちらかという、とにかく極端な受けだったようです。
簡単に説明すると、「荒野のじゃじゃ馬娘」というモノクロのドタバタ西部劇映画を撮っているオペラという設定になっていて、タイトル・ロールをアディーナが演じているというか・・・そんな感じになっていました。
最後にその完成した映画が観れるのですが、まーー、それはまあ酷いもんでね。
チャップリン風と見なした方もいたようですが、チャップリンと一緒にせんでくれと言いたい。
愛の妙薬はドタバタ喜劇と見なされることがどうも多いようで、
それを抑え目にして大成功を果たしたのが先日のMETのシャーの演出だったので
それと比較してしまうと・・・・・今回のは 観てる方がドン引きしてしまう、軽々しいドタバタ喜劇 という感じで。
逆に考えると、オペラをあまり見たことなくて、オペラ=高尚でむずかしい と思われている人にはいいかもしれませんが。
が! 少なくとも私は、あの映画はなんの意味があるのか?蛇足にもほどがあるんじゃないのか?
軽々しいロマンスにしてしまったせいで、アディーナとネモリーノがまったくお似合いには見えないし、
衣装も軽すぎてなってないし(衣装というか演出がこれだから仕方ないけど)
気になるのが、アディーナ役のミア・パーソンの演技力がひどいもんだったということ。
ただ、(たぶん)ミア・パーソンの他の出演作は観たことがないと思うので、
これはこの演出によってあほらしい大袈裟な演技をさせられているのか?
歌はそこそこだけど(でもやっぱりネトレプコやゲオルギューには全く敵っていないけど、比較対象が彼女らじゃね)
演技力は最低なのか、どちらなのかは分かりません。
おそらく、前者かなぁ。
ベルコーレ(ロマン・トレケル)が超自信家の自己中男なのは台本からしてそうだから当たり前なんですが、
周りの女の子たちがきゃーきゃー言い過ぎて、
『美女と野獣』のガストンと、完全にかぶってます。
「朝の風景」の、3人娘が「はあぁぁ~~ん」ってうっとりしている場面とかぶる・・・・。
ロランド・ビリャソンって、かなり上手いテノールなのに
今回はいまいちかな・・・・。断然ラ・ボエームの時の方が良かった。
自宅での鑑賞、映画館での鑑賞ということを考慮しても
全ての歌手、演出、衣装が先日のMETライヴ・ビューイングには全く敵いません。
フランコ・ゼッフィレッリの演出のようなのが好きな人は、ダメだと思うなぁ。