- 情事の終り (新潮文庫)/グレアム グリーン
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いつかは絶対に読みたい!と思っていて
絶対に自分はこれが好きだ、という確信を持っていた本です。
現代イギリス文学では、かなり、ものすっごく有名な方、グレアム・グリーン。
あらすじは知っていたので「好きだな、これは」と思っていました。
タイトルからみると・・・・いやらしい感じなのかな?とも思ってしまいそうなのですけどね。
ネタバレ注意!
これは、ちょっとネタバレしないと書けません・・・・・。
ですので、あらすじを知らなくって、これから読まれる方は読まないでくださいね。
- The End of the Affair: (movie tie-in edition)/Graham Greene
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2人の関係は終わった。
モーリスとセアラ。2年前のある日突然、理由も知らせずにセアラは男に別れを告げた――
セアラは、モーリスの親友の妻。いわゆる、不倫というやつでしたが、愛し合っていた。
そしてある日、その日から2年後・・・
偶然その親友と会い、妻セアラが不貞をはたらいているのではないか?という相談をもちかけられる。
当然、今は自分と関係がないのだから、誰か自分とは異なる愛人がいるのでは、と考えるモーリス。
終わったことなのに、むくむくと嫉妬心が膨れ上がる・・・。
未だ、セアラを愛しているのだということに気付かされるモーリス。
その不貞というのは本当なのか、と探偵を雇い、セアラの行動を見張らせることに。
そして、彼女の日記帳が彼の元へ届けられる。
というのが前半のおもなあらすじです。
2年前の空襲の日、突然モーリスの元から姿を消したセアラの本当の心情。
それがすべて日記に記されていました。
その日はベッドで愛し合っていた。
ドイツ軍による空襲があった。
・・・そして、近くで爆発が起きてしまったのです。
部屋を出て、様子を見に行ったモーリス。
そしてまた、もうひとつ近くで爆発が起きてしまいます。
扉の下敷きになってしまったモーリス。
意識を失ってしまいますが、すぐに回復します。
怪我はしたけれど、命に別状はない。
けれど、セアラはモーリスをみてちっとも嬉しそうではなかった。
「あなたは生きていたのね」
それだけを呟いて・・・・そして、彼の元から姿を消すことになります。
確かに、これだとモーリスにとっては意味不明です。
セアラの発言には頭にくるでしょうし、
何故関係が終わったのか、意味が分からない。
けれど・・・・実は、あの二つ目の爆発が起きたとき
セアラは当然、部屋から出たモーリスは大丈夫かどうか、気にします。当たり前ですよね。
そして目にしたものは、扉の下から突き出た、愛しい人の手首。
しかも、既に冷たかった・・・・。
彼は死んだのだと判断したセアラは、神にこう祈ります。
「どうか、愛する人を生き返らせてください。
叶えられたら、二度と彼には会いません。」
・・・・これ、愛じゃない
究極の愛だと思います、これこそが愛でしょう。
私はここまでのあらすじは知っていました。
でも、これで終わるんだと思っていたんですね。
実際はこの場面は小説の真ん中あたりです。
ポイントになるのが、セアラは別にカトリック信者じゃなかったどころか、神さえ信じていたわけでもなかったこと。
そして、本当にセアラの願いが届いて、モーリスは救われたのかもしれない・・・ということかな、と思います。
目にしたものが、愛する人の手首で、冷たかったら・・・・。
誰だって、セアラのような行動を取りそうなんですよね。
これが地震とかであったらきっと台無しなのでしょう。
戦争ですから。
これからまだまだ、ストーリーは展開しています。
でも、やはりこの場面が素晴らしすぎて、
思っていたよりは・・・・・・
という感想です。
確かに、後半は難しいし、
かるーく読むべきものではないですね。
難易度はかなり高いかなと思います。
キリスト教の知識が相当ないと・・・・本当に「読む」のは不可能なのかもしれません。
でも、このあらすじ読んだだけで私は泣けましたよ
- 第三の男 (ハヤカワepi文庫)/グレアム グリーン
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グレアム・グリーンは映画『第三の男』の原作者でもあります。
- ことの終わり [DVD]/レイフ・ファインズ,ジュリアン・ムーア,スティーブン・レイ
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なぜか「こと」になっている映画。
これ・・・・観てみたいのですが、見つからないのですー