- これはもう、何も解説しないほうがよいと思った小説です。
あらすじなんて、書いちゃ駄目。
こういう話です、って先入観を持ってしまったらもう駄目だと思います。
以前のブログにも書きましたが
ネタバレしている記事を読んでしまい・・・楽しみが半減してしまって
読書メーターのコメントにも書いたのですが、
こちらには一切ネタバレのコメントがありませんでした。この良し悪しで読むかどうか決めるため、当たり前なんだけれどこういうのって、気持ちいいものですね
最初は、なんだろうと思ったこの表紙。
読みゆくうちに、気付きましたが・・・
洒落てますね^^
「ヘールシャム」という場で過ごしていた登場人物たち。
カズオ・イシグロお決まりなのか、これまた回想記です。
回想記を書かせたら天下一品。
そして、土屋政雄さんの役がこれまた・・・・本当に上手いと思います。
原文は読んでないので分からないけど、他の方の訳だと間違いなくぜんぜん違うでしょう。
『日の名残り 』は私の2009年BEST BOOK にも入っています。
こちらの原書を読んでみるつもりです。
解説はかの有名な柴田元幸さん。
カズオ・イシグロのこれまでの著書であれば、『日の名残り』を超えてこれが最高傑作だろう、と。
私も同感です。
素晴らしい、のひとこと。
カズオ・イシグロは国籍は既にイギリスですけれど日本人の血が流れており、日本生まれってことを日本人は誇るべき。
最初は読み始め、ある意味”嫌な予感”がします。
「まさか・・・・・これって、○○?」のような。
「介護人」
「提供者」
よく分からない単語が出てきて、頭の中は?でいっぱい。
悲しい、というよりは 哀しい と言いたい物語なのですが
”物語”なんて言葉ですませてはならないストーリーです。
これは、100年くらい残るのでは??
是非とも”古典文学”として残って欲しい名作です。
これ、映画化ってしないの??
このミステリーがすごい!の2007年度に選ばれているらしいですね。
ミステリー??これ、ミステリーなの??
とにかく、ミステリーはキライな私でもかなり良かったと思えました。
とてももの哀しいストーリーなのに描写がカズオ・イシグロ独特でとても綺麗なんですよね・・・。
イメージは「白」が相応しい。
元旦に読み終わる本は、必ず素晴らしい。
3年連続そうです。
強くお勧めします。未読の方は、是非
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Never Let Me Go/Kazuo Ishiguro
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