桐生操の本と言えば、歴史モノや、本当は怖い~モノが中心。官能的なものも多い気がします。(読んでないけど)
興味を惹かれるものが幾つかあったので、数冊読んでみようかなーと思っています
ちょこちょこ歴史モノに登場する、エリザベート・バートリ。
己の美貌と若さの秘薬を信じ、六百人あまりの乙女を虐殺し、その血を浴びた”血塗れ伯爵夫人”エリザベート・バートリ。
すっごい大げさに聞こえるかもしれませんが、現実に起こったこと・・・。
確かに彼女はかなり美しかったらしいし、ハンガリーで1,2を争う名門バートリ家の出身。
彼女の夫も同じくハンガリーで超名門のナダスディ家。オスマン・トルコとの戦いで一躍有名となったフィレンツ・ナダスディです。
ハンガリーもだからこそ、裁判を起こすのをためらったりしたらしいですが・・・。
エリザベート・バートリはとにかく自分の美貌と若さを失いたくはなかった。ここに書いてしまうと気分が悪くなってしまう方が多いような気がするので一応伏せておきますが・・・(気になった方はご自分で読んでみてください♪)
自分の手に若い娘の血がかかってしまったときに慌ててぬぐうと、その部分だけ肌が若返ったような気がした・・・・らしいのです。「これだ、これなんだわ!私の若さと美貌を保つものは!!!」ということで、早速ひとりの乙女が連れられてきて・・・・。
・・・・ということで、合計600人超えという虐殺をすることになるわけです。とにかく血が欲しかった。
血がないと気が狂ったようになったそうです。麻薬中毒者のように。
いや、もうそれ以前に狂ってるけどね。悪魔にとり憑かれた、としか思えません。だから”吸血鬼”とか呼ばれたりもしたらしいですが、とても現実のものとは思えない・・・
虐殺の方法も様々で、どれもこれも残酷極まりない。
中世の拷問器具として有名な「鉄の処女」の製作を依頼したりと、よくもまぁこんな残酷な方法が幾つも思いつく・・・。
これを読む前から殆どの内容を知っていたので新たな驚きは特にありませんでしたが、もう恐怖を通り越すんですよね。「キモチワルイ・・・」じゃなくて「・・・へぇ。。。」という反応になってしまうというか。
因みに、私、ホラーって小説も映画も大キライです。ダメです。
それでも大丈夫でした。もっと凄いかな、と思ったけれど・・・
ただ、描写はそこまでうまい、とは思いませんでした。著者はあとがきでエリザベートの行動よりも内面に重点を置いた、と記していますがそれもあまり感じられなかったし・・・。そこが残念ですね。
でも、描写がうますぎたらきっと最後まで読めない気がします・・・・。
因みに↓のは795円になっていますが、私の読んだPHP文庫のものは552円と非常にお安いです。
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