「あらすじ」と「読みどころ」世界の「名著」50・・・のサブタイトルは”「これだけ」は身につけたい本物の教養”です。
著者と好みが違いすぎると、その著者が選んだ本の10分の1も読んでなかったり・・・で面白くなかったり、価値観が違いすぎると解釈があまりにも異なって読み応えがなく感じたり、と色々あるけれど・・・・やっぱりこういう本、楽しいよね
自分の価値観を人に押し付けるような真似はしたくないですし、「わぁ、こういう考え方もあるんだー」などと新たな一面を発見できる楽しみもあります
大抵こういう類の本は、もっとも代表的な訳の本を紹介しているものが殆ど。でも、この本では数多く紹介してあり、読むならコレがお勧め、とまで書いてあるため既に読んだことのある本でも「じゃあ、今度はこっちを」と選べていいですね
本のお楽しみには欠かせない、解説についてもどれが豊富かが載っているので助かります♪
50作品全部は載せられませんが・・・一部だけ紹介しておきます。
『オイディプス王』 ソクラテス
『万葉集』 『論語』 『旧約聖書』 『新約聖書』 『コーラン』 『唐詩選』
『神曲』 ダンテ
『白鯨』 メルヴィル
『罪と罰』 ドストエフスキー
『おくの細道』 松尾芭蕉
『武士道』 新渡戸稲造
文学以外にも、なんと音楽(モーツァルト 『フィガロの結婚』他)、絵画(ボッティチェリ 『ヴィーナスの誕生』他)、舞台(能 『隅田川』他)、映画(チャップリン 『独裁者』他)、建築物(東大寺 他)までも載っているところがこの本の特色です。
そして、あらすじは勿論のこと、うんちくまで載っている。コレが結構知らないことが多くって、なかなか他の本ではお目にかかれないことまで載っているので面白いことこの上なし
『失われた時を求めて』のフランス人作家プルーストと、『ユリシーズ』や『フィネガンズ・ウェイク』 のアイルランド人作家のジョイス。
この2人は20世紀文学の双璧とされていますが、深夜のパリで会ったことがあるんだとか。その場面はそれぞれ2人の自伝に書かれているそうです。
面白いことに・・・・何と、この2人は互いに、別れ際に「実はあなたの本は読んだことがないのです」と言ったと・・・。
ゲーテの『ファウスト』。著者はこの作品について『ファウスト』はおじさんが若い娘を追い回す物語なのだ。「スケベ」と言ってもいいくらい。
・・・と言っちゃっていますま、まぁね。確かに・・・・物凄く簡潔に説明しちゃうとそういう話・・・なんだ・・・けど・・・も・・・・・(でも、こういう風にズバッ!!と言い切っちゃう人、好き。)
何かの本でもこの言葉が引用されていました。イタリアの作家イタロ・カルヴィーノは『なぜ古典を読むのか』(コレ確か読んだはず)の中で言っている、痛烈な皮肉について。
「古典とは、ふつう、人がそれについて、『いま、読み返しているのですが』とはいっても、『いま、読んでいるところです』とはあまり言わない本である」
第1章の前に、こういった古典についてや教養とは何か、といったこと、これからの「社交」の有り方について載っています。
ここも、必読。かなり!面白かったです
政治家が「ハムレットの心境です」などと言ったりしますよね。
でも、これを言う人って『ハムレット』読んだor観たことあるのかな・・・・?ハムレットとドン・キホーテは形容詞として使われるようになっていますが、あんまりむやみに使うと知性の無さをアピールしているような気も。
ハムレットは、本当に迷う男だったのか?逆に、行動派の男だったのではないか。ある意味、叔父への復讐という「行動」に出ているではないか。とか、色々言われていますしね。
単に「迷ってるんだよね」って時に『ハムレット』を引き合いに出すのって、ちょっと、ね・・・・と思っていたので、この著者も似たようなことを仰っていてちょっと嬉しかったです
全然関係ありませんが・・・・先ほど気付いたのですが、どうやら先月アフィリエイト3件成立したようなんです。
でも、どれを買ってくださったのかが全く分からないなに?これ、こういうもんなの?
たぶん・・・・読者の方なんじゃないかと思うんですけれどね。とりあえず、その方が見てくださっているか分からないけれど・・・こちらでお礼を。ありがとうございます
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