お気付きの方も多いと思いますが、スキン変えました
また、ラッセンのイルカ。
すっごい関係ありませんが、今気付いたこと。私イルカ好きなのかなー?そういや今日も18金のイルカのネックレス。もうひとつ、デザインは違うけどシルバーのも持ってるし・・・。
何はともあれ、暫くはイルカでいきますっ!
先日読んだ『ワーニャおじさん』に引き続き、岩波文庫の『桜の園』を読んでみました。ロシアの桜ってかなり白っぽいんですってソメイヨシノも結構ピンクというよりは白めですよねー。えっと、そもそも、ロシアに桜が咲くというイメージが全くなく、桜咲くんだ!!と驚きました
チェーホフの4大戯曲の一つであり、彼の最後の作品です。この後に、結核で亡くなってしまったそう・・・
他の3作品とは違い、銃で撃つようなシーンはなく、悪役と呼べるような人は出てきません。
主人公は恐らく40代だと推測される、未だ美しさを保つラネーフスカヤという女性。
ラネーフスカヤは本名リュボーフィ・アンドレーヴナ。彼女のファーストネーム、なんとロシア語で愛という意味らしいのです。
すっごい皮肉ですね。
彼女は自分が罪を犯したことをわかっているし、だからこそ最愛の息子を7歳という幼さで失ってしまったとも思っている。罪は、償わなければならない。けれど、悪いことをした(罪)と認識できているから何か悪いことが起こる(罰)と、たとえ神が下した天罰でなくても自分自身でそう考えてしまうのか。
はっきりと彼女の年齢は書いてないので推測にすぎないのですが、一般的に40代だろうとされているようです。それでも、美しさは際立っている。
ロシアは寒さが厳しいので美貌を保つのは相当難しいようです。ロシアには美人が多いと言われていますし若いときは本当に美しくても、歳を重ねると・・・・・ということが非常に多いようで。・・・と何かの本に書いてありました。
金に困った彼女の一家は、今までのような贅沢な暮らしはもはや、望めません。
もう底がつきそうなのに、それでも金に困った者に惜しみなく手持ちの金銭を与えてしまうラネーフスカヤ。大好きな桜の園は、既に競売にかけられている。
こうなると、お人よしだからこその不幸と思いそうなのに、あまり共感が出来ず。人がいい、じゃなくて単に愚かなだけ。
その桜の園の新しい主人は、誰になったのか・・・。
桜の園は1000ヘクタールほどあったのでは、とされているようですが、具体的なモデルは存在しなかったという見方が一般的だそうです。
解説で翻訳者が記しているように、ラネーフスカヤはとても「褒められた女性ではない」です。
ただ自分の罪を認めているところは共感がもてるし、こういう人は女性に限らず多いしリアリスティックですが、どうも・・・・好きじゃない。よく言えば、人間らしい人ってことになるんでしょうけどね。
現実から目をそらす感じがアンナ・カレーニナみたいでイヤです。悪いたとえに用いましたが、こちらは何故か魅力的で惹かれるんですけどね
何より、気になるのが・・・
最後幕が閉じる直前にフィールスがどうなったのか?ということ。ごめんなさい、単に読解力が欠けているだけなんだと思います
小説でも最後に死んでしまったのかどうなのか分かりにくく、直接的に描かずに婉曲な表現で終わらせる作家もいますが、例えばシェイクスピアの戯曲の良いところは死ぬなら死ぬで(死ぬ)などと表記してあるところ。(劇ですからね!台本ですから書いてあります)
でも、こちら(横たわったまま、動かない)で終わってるんです。
え、寝てるだけ?死んじゃったの?なんなの?ここでいきなり死ぬのもおかしいけど・・・・。
もう毎回書いてますが、私ロシア語勉強した方がいいのかな・・・
どぉぉぉしても登場人物の名前で混乱します。何度も最初に戻って、この人が主人公で、この人がこの恋人で・・・などと確認しつつ読まなければなりません。
アンナとかアレクセイとかピエールとか、楽でいいんだけどなー。
フランス語も響きが馴染みにくいけど、ロシア語よりはマシです。イギリスとアメリカはそういう意味で助かります英語っていいね!
あと、どぉぉぉしてもロシアの慣習が理解できない。
私がよく読むものはイギリス、アメリカ、フランス、ロシアのものですが、ダントツで注釈が多いのはロシアのものです。ないと、サッパリ理解できません。
例を挙げますと、ロシアでは旅立ちの前にトランクなどにみんなで1分間座って黙って動かないでいるという習慣があります。
これは旅行の無事を祈るおまじないのようなもので、現在でも行う人は結構多いらしいです。
仮に注釈がなくて「彼はスーツケースに座った」と書いてあったら、いや、きっと私なら「あー、そっか、座る場所なかったんだ、ふーん」程度にしか思いません
それにしても、ロシアって面白い
でも逆の発想で考えますと、小説や戯曲でありながらその国独自の文化や歴史を同時に学ぶことが出来る。色々な側面から見る(読む)ことが出来る。
それは完成度が高く、信頼が置けて、素晴らしい文学作品だからできることであって、これってどうしても重厚な古典の文学のほうがいいんです。・・・ってこの間読んだ本に書いてあった。
ライトなものだと、信頼できない、というと語弊を招くのかもしれませんが・・・そういう意味でヤングアダルト小説とかは「へー!最近のアメリカのティーンエイジャーってこんなもの食べて、こんな恋愛するんだー!!」とかになっちゃいます。でも、読むけどね。それはそれ、これはこれ。ただ恋愛の素晴らしさとかは仮に学べたとしても、あまり「知識や教養」にはならないのが現状では・・
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