12月になってようやく初更新です。・・・遅くてゴメンナサイショボ

 さてさて、今年もあと1週間とちょっと。皆さんは今年本をどれだけ読みましたかはてな今月はだいたい1日1冊ペースですが、年間だと今のところ120冊くらい・・・。来年は月20冊くらいいけたらいいな。年間500冊、なんて人もいて、凄い。冬休みは11日しかないんだけれど、その間に読みふけろうかな。

 アメリカの小説であれば、一番好きなのは断然『風と共に去りぬ』。初めてスカーレット・オハラという名のカクテルカクテルを飲んだ時、色といい味といい、これぞ、スカーレット!という感じでとても感動しました。

 スカーレットは一般的に魅惑的な美人だと思われていると思いますが、『風と共に去りぬ』の1ページ目に「決して美人ではない」ということを強調されています。だけれど、どうにも魅力的で人の目を決して離さない、サザンベルとは言いがたいものの気の強い、意思をしっかりと持ったスタイル抜群の女性として描かれていて次第にとても「美人ではない」とは思えなくなっていて。


 『風と共に去りぬ』はご存知の通りスカーレットが私にはタラがある!タラろう!という場面で終わります。明日には明日の風が吹く、と。ハッピーエンドでない終わり方。スカーレットは本当に大切なものに気付くのが遅すぎた。あまりにも遅すぎた。

 

でも、実はA・リプリー著 『スカーレット』という続編がありまして、『風と共に去りぬ』はマーガレット・ミッチェルが著者なので同じ人が書いたわけではないのですが、出来としては私は『スカーレット』の方が上かもしれない・・・と思うほど大好きな作品です。読み終えたとき、感動でむせび泣きました。身体の震えが止まらなかった。これ、イギリスに対する鋭い風刺も盛り込まれています。

そして、本作ドナルド・マッケイグの『レット・バトラー』。映画ではクラーク・ゲーブルが演じたスカーレットよりかなり年上の野心家の3人目の夫にあたります。現題によるとレット・バトラーとその周りの人々、になるそうで彼の妹のローズマリーについてだとか、メラニーの切ない胸中も明かされます。


 また『スカーレット』とは違い続編というわけではありません。『風と共に去りぬ』の裏側を描き、レットの視点から描いた小説です。

 2人の出会いから始まり、最初は単に物語をレットの目を介して見ているだけだな、という冷淡な感想でしたが笑5巻(全6巻です)を過ぎたくらいからのめりこみます。南北戦争の記録を元に実在した人物を盛り込んでいるので、リアリティもある。感慨深い。『風と共に去りぬ』と『スカーレット』に続き、単なる恋って素晴らしい、ものの恋愛小説じゃなくこちらも戦争について考えさせられる。

 『風と共に去りぬ』を読んで南北戦争や奴隷制に興味を持ち、レポートにも何度か取り上げてかなり調べましたが、これはアメリカ合衆国の歴史の中で最大の犠牲者を誇った戦争。

 「シェイクスピアを世界中の人が好きになれば、この世から戦争は消える」と断言した人もいますが、本当に世界中の人がこういう本を読むようになれば戦争は起こらなくなるような・・・。最近の特に日本の小説は携帯小説等の普及も相まってか、そういうのとか批判とかないしなぁ。


 『スカーレット』は読まなくても大丈夫だけれど、これを読むに至っては『風と共に去りぬ』は最低読んでいないと分からないかな・・はてな映画でのヴィヴィアン・リーも素敵はーとだけれど、多少原作と異なる点もあるのでやはり原作を読んでから、がお勧め。


☆☆☆☆☆



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