閉鎖環境のプロに学ぶ
とても参考になる話が書いてありました。確かにそうだな・・・と。宇宙空間も目に見えない得体のしれない何ものかが浮遊しているんですよね。記事抜粋http://www.mitsubishielectric.co.jp/me/dspace/column/c2003_2.html新型コロナウイルス(COVID-19)が世界中で猛威を奮っている。渡航制限や外出禁止など、移動を制限され、多くの人たちが限られた物資で「家」という閉鎖環境に閉じこもる状況は「宇宙生活」に似ている点があると言えないだろうか。ならば、宇宙滞在や南極越冬隊などの経験からこのストレスフルな状況を乗り切るヒントが得られるかも・・そう思って相談したのが、DSPACEではおなじみ極地建築家の村上祐資さんだ。村上さんは米国ユタ州やカナダ北極圏の模擬火星基地(MDRS、FMARS)にのべ160日、第50次南極越冬隊員として15か月間南極に滞在など、極地での生活経験1000日を超える閉鎖隔離環境のスペシャリストである。言わば「閉じこもりのプロ」と言っていい。そんな村上さんに新型コロナウイルスをめぐる現状をどう見ているか尋ねた。「まず、火星模擬実験や南極越冬隊などの閉鎖環境と、新型コロナウイルスの対策の一つとして閉鎖環境にならざるをえない現状は異なる点も多く、一概に重ねることは難しいと思います。ただし家に閉じこもってテレワークをするなどの物理的な環境の変化もそうですが、未知で答えがないものに触れたときに現れる人間性は、閉鎖環境で想定外のことが起きたときのそれとものすごく似ているように感じます」という。具体的にどういうことだろうか。まず、認識すべき点として「最前線に立つ人」と「後方で待つ人」がいて、それぞれの役割があると村上さんは指摘する。「極地での集団生活には鉄則が二つあります。『言い出しっぺがやる』『寝床に文句は言わない』です」。「言い出しっぺがやる」は、自分が最前線に立ってやる覚悟があるのかということ。立つ覚悟があるなら自己主張してもいい。だがやらないのに文句を言うだけの人になれば、やる人の邪魔にしかならない。後方で待つ人は最前線に立つ人をリスペクトして信頼し、「こんなところで寝られない」など文句は言わないのが作法であると。それが「寝床に文句は言わない」だ。