2月22日は島根県が定めた竹島の日だった。その前日に国会分館で『竹島領有権問題の経緯』と題する政策セミナーがあった。約一時間、塚本孝国会図書館・調査員の報告を聞いた。1905年の同日の閣議決定に基づき、島根県知事が島名と隠岐所属を告示した。しかし、先の大戦の後、1954年ごろから韓国がこの島を占領するに至っている。


 国会議員の参加は、恐らく私一人であったかのように見受けたが、なかなか参考になるいいセミナーであった。もっとも、その経緯はかなり複雑で、講師自身が述べておられたように、とても一回や二回聞いてもわからないというのが正直なところだ。


 「日韓双方の国民が歴史的知識を涵養し、相手国の主張を理解し、自国に有利なことも不利なことも承知し、そのうえで、法に従って解決を図る」との結論はまっとうなものだろう。1962年に行われた外相会談の際に、日本側は紛争の国際司法裁判所に付託することを提案したが、韓国は応じず、今もなお不法占拠をし続けている。日本はこれに対して、事あるごとに、抗議を重ねているが、国民的関心をもっと高める必要がある。韓国に比べて日本の熱意が低いのは残念だ。


 国民世論の中に 1)北方4島は千葉県大だが、竹島は日比谷公園ぐらい。小さすぎる 2)周辺地域の漁業が大事、島の帰属などどうでもいい 3)韓国は友好国であり、植民地支配で被害を日本は及ぼしたのだから領土主張はすべきではない 4)韓国併合の一環として竹島を奪取したのだ 5)無謀な戦争をした結果は受け入れるべきだ―などの議論があるという。講師は「面妖な議論」としていたが、まさにその通りだろう。