先週末に姫路で医療の現状をめぐっての市民の集いがあった。テーマの一つは、在宅医療の現状と課題。いま一つは、肺がんと医師不足の問題。講師は開業医と独立行政法人国立病院機構の副院長。


 厚生労働省の副大臣として、がん対策推進基本法の制定に尽力したり、チーム医療の重要性を指摘してきた私としては、その後の展開を注視しており、大変に興味深い内容だった。


 がん治療における在宅診療やチーム医療がそれなりに進んでいることがうかがえ、意を強くした。もっとも、同じチーム医療と言っても中身にかなり差異があるやもしれぬ。先日、放射線技師の皆さんとの懇談では、まだまだ医師の見立てが幅を利かせており、専門家としての放射線技師の意見が無視されがちだとの不満が表明されていたことを思い起こす。


 また、今やがんのなかでも肺がんがトップの座に。姫路市内でも患者が増えすぎて、どこの病院もパンクしそうだというから酷い。入院待ちから始まり、今や看取り待ちなどといった事態さえもある、と。これを打開するには、予防検診の受診率を高めるしかない。ただ現実には難しい。さらなる工夫が必要だと痛感させられた。


 肺がん防止は一にも二にもタバコを止めることだと言われる講師は、煙草禁止令を制定するしかない、とも。しかし、これには直ちに首肯できない。先日も29歳の若さで長男を肺がんで亡くした知人と懇談したが、彼は全く煙草を吸わなかった。DNAによるものではないかとの説も有力に思われる。かく言う私は、「禁煙など簡単だ。いつもやっているから」の類い。いまだ未練がましいことを言ってるとますます怒られるに違いない。