国会も最終盤を迎えているが、未だ小沢一郎氏をめぐる国会招致問題が解決どころか糸筋さえ見出しえていない。今日開かれた与野党幹事長、書記局長会談でも岡田民主党幹事長は為す術を知らぬ体たらくをさらけ出すのみであった。


 一方、朝鮮半島に由来する附属書に掲げる図書を日本国政府から韓国政府に対して引き渡すことについて定める協定(いわゆる「日韓・図書協定」)の取り扱いが難航している。自民党の中にこの協定について反対する人たちがいて、未だ外務委員会での審議がなされるに至っていない。仄聞するところでは、この図書のなかでの中核をなす「朝鮮王朝儀軌」―朝鮮王朝の高宗の妃である明成皇后の国葬記録、朝鮮王朝が使用した「朝鮮国王之印など11印の改鋳を行った際の記録、朝鮮王朝の高宗の即位についての記録などの本物はフランスにあり、日本にあるものはコピーではないか、との指摘がある。さらには、かつて韓国に日本から引き渡された文化財が、かの国においてきちっとその後保存されていないではないか、との指摘もある。だから返さないというのではないのだろうが、いろいろ真偽が定かではない問題が取りざたされていることは事実である。


 前政権時代にあまり話題にならなかった今回の協定が、新しい政権になって急に浮上してきたことも恐らくは自民党にとってあまり腑に落ちないことなのだろう。ただ、本来は韓国のものなのだから、なにはともあれ元のところに戻すというのがあるべき姿だろう。


 いかにいい加減な政権ではあっても、国際約束を反故にするかのごとき態度をとるように外から見えるのでは、国家として恥ずかしい。自民党の大人の対応を望みたい。